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P-MODEL MEMBERS RARE DISCS(3)<三浦俊一 編> [特別企画]

P-MODELに縁あるミュージシャンの、今ではちょいと珍しい音盤を紹介する無謀な新春企画。
初日:福間、二日目:中野と“電子音楽部”所属部員が続きましたが、
本日紹介するのは、電子音楽部の総帥にして、 Beat Surfers 代表の三浦俊一です。


それではP-MODEL以後の活動概略から。
1985年末にP-MODELを脱退後、ケラ率いる“有頂天”に加入してメジャーデビュー。
有頂天ではアルバム「ピース」「AISSLE」他シングル3枚に参加し1988年脱退。
以後は自身のバンド“SONIC SKY”を結成して音楽制作やバンド活動・プロデュースに従事。
1995年に再びケラとバンドを組み、“ポメラニアンズ”等の仮名を経て
“ザ・シンセサイザーズ”となる(後にケラ&ザ・シンセサイザーズに名称変更)。


さてさて。
職務経歴書的にまとめれば、だいたい以上ですが。
実は、今回のように重箱の隅を突ついていくと、
非常に困ったことになるミュージシャンであります。
というのも、参加バンドが非常に多い。関わったアーティストがとにかく多い。
サポートや若手ミュージシャンのプロデュースまで含めると大変なことになる。

知ってるものだけでもざっと順不同で書きだすと、
DIAMOND★MUE/VAN DYKE/SONIC SKY/ザ・レジスターズ/
スペースショッピングセンター/デスコ/Hz/IKARI/ヤング100V/
Microchips and Fish/エレキバター/FLOPPY/
GO-BANG'S/岩田麻里/BAKU/SKAFUNK/富永みーな/
ペケペケ・エントロピーズ/まんが道/
噂に聞いただけで、見たことのないような活動が山ほどあります。
しかもそれらが有機的に発展解消し、新バンドが生まれるケースも幾つか。

ミュージシャン生活30周年近いベテランの履歴を
まともに追っていては太刀打ちできませんので、
私の手元にある音盤をもとに今回は解説します。

今回の解説を始める前に強力なディスコグラフィーをご紹介。
いつもお世話になっております。
ぱちーの - 三浦俊一ディスコグラフィー
http://www010.upp.so-net.ne.jp/tatsuroo/mue/index.htm


SONIC SKY 「SONIC SKY」「OVER」
sonic.jpg

over.jpg
前回:中野テルヲ編でも触れましたが、本項では詳しく紹介。
有頂天脱退以後、三浦の代名詞的バンドといえばソニック・スカイ。
初期は中野照夫・中期には河野裕一(有頂天・ヤプーズ)が在籍したバンドです。
メンバーの志向で音楽性が変化するバンドでもあり、
1stの頃はシンセが鍵を握るエレクトロロック、2ndではかなり真っ当なロックバンドの音作りです。
他にもライブ配布カセットなどが幾つもあったと聞きます。
特に後期ソニックはCDが出てないので聞きたい限り。


sco.jpg

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2018.07 追記:
STEREOSCOPEライブ FREE FREE FREE

ステレオスコープ「FREE FREE FREE」

ステレオスコープ「FREE FREE FREE」 [音楽] 三浦俊一、中野テルヲ、鈴木友行。



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三浦自身が「VOS!」や「BANDやろうぜ」に参画していたためか、
それらの媒体でのインタビューやライブ映像も残されてます。興味のある方は探してみてください。
(余談ですがVOS!では大槻ケンヂと一緒にコーナーを持ってたので三浦は毎回のように出演してました)

三浦ファンの視点からお薦めするのは2ndの「OVER」。
河野が加入したため、三浦がベースに回り、
河野の派手なリードギターと三浦の落ち着いたベースのアンサンブルで聞かせる内容となり、
バンドとしても再構築しなおした感のあるサウンドです。
1stにも収録された曲が骨太に生まれ変わっていて、他の楽曲も粒ぞろい。
その中でも「WORLD OF ELEGANCE」は三浦曲の中でも屈指の、泣かせる大名曲です。


スペース・ショッピングセンター「デモテイク1999」「恋に恋してコノヤロー」
「子猫モダーン物語」
modern.jpg
1999年頃、モノグラム中井敏文とタッグを組み、
ネット連動型ライブイベント“Web+”を開催してた時期に、
精力的に活動してた三浦のバンドが“スペース・ショッピングセンター”です。
ニューウェイブを志向していた頃のバンドで、
担当は三浦:ギター・シンセ・ボーカル、加藤英幸(元BAKU):ドラム・データ
大堀こういち(のびお)&のぐお:コント、という構成。
…コント?
ニューウェイブとハートウォームが同居した奇跡のようなバンドでした。
cen.jpg

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2018.07 追記:
スペース・ショッピングセンター ライブ

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基本はライブ活動を主としていたバンドですが、
デモ音源をCD-Rに焼いて、三浦の自主レーベル“マルティネスレコード”から
限定48枚でリリースするという、今ではちょっと考えられないような
家内制手工業的なことが行われてました。その当時の作品がここで紹介する三枚。

基本は打ち込みとギターサウンドが中心で、
ライブではこれに加藤のドラムとのびおのぐおのコントが乗っかる。
デモのためなのか、収録ボーカルにはヴォコーダがかけられてますが、
この効果も相まって、ニューウェイブ感を煽る出来栄え。
「子猫モダーン物語」はリリース当時、スペセン作品ではないと宣言されてましたが、
実質的に後期スペセン作品集。収録曲は以下のとおり。
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<デモテイク1999>
ウォッチ下さい
アナーキーインザショッピングセンター
スペースMP3
加藤、海へ行く。
ブルースインザスペース
スペースまんじゅうがに
青とバラ
スペース006
僕ら、トキをもらった

<恋に恋してコノヤロー>
恋に恋してコノヤロー
ウォッチ下さい(LIVE)

<子猫モダーン物語>
(犬は)猫の森には入れない
木佐彩子の歌
スリープ21
マツイのバット
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タイトルは(ある意味)すごいが、中身も見事なニューウェイブ。
ご存じの方も多いと思いますが、「僕ら、トキをもらった」は数度の変遷を経て、
ケラ&ザ・シンセサイザーズのレパートリーになってます(夜のスポーツ)。
他にも「青とバラ」「ウォッチ下さい」「木佐彩子の歌」「(犬は)猫の森には入れない」などは
いつリメイクされて再び世に出てもおかしくない名曲たち。

これらの音源はあまりにも流通量が少ないために、振り返るのも大変ですが、
当時の三浦個人サイトのアーカイブにMP3が残ってるようす。(リンク切れてたらごめんなさい)
http://web.archive.org/web/20000119162710/http://www.m2f.co.jp/miumar/space.html
http://web.archive.org/web/19991013153249/www.tk.xaxon.ne.jp/~mue/sound.html
そこからリンクをたどれば、サイト全体から氏の人となりが浮かび上がります。
ハートウォーミングだねえ。


“STEREO SCOPE”
stereo.jpg
待ってました大統領。
ステレオスコープと銘打たれてますが、ソニックスカイの前身名ではありません。
時期としてはP-MODEL脱退後~有頂天加入前ぐらいの作品で、
「TYPE-D」「TYPE-B」の二曲収録。ソノシートです。
短いながらも場面転換の多い曲で、P-MODEL ANOTHER ACTとして発表された
「D-SIDE」の続編とも言えるかも。音の作りもよく似てます。
サンクスとして中野・モデルハウス・有頂天がクレジット。


主だったバンド音源で私が把握してるのはこのへんにして、
次は各アーティストに提供された作品を紹介。

冨永みーな「Various」
miina.jpg
いまや大御所声優のソロアルバムをプロデュース。
このアルバムが出たときのライブツアーにも帯同してたとのことです。
なお、このアルバムで作編曲した「せっかくの週末」は、
後に新たな詞をつけられ「ガーデン」と名を改めて、後期ソニックのレパートリーとなったとのこと。


「おんなのこたち倶楽部」
girls.jpg
くじらいいく子原作の少女マンガのイメージアルバムを三浦がサウンドプロデュース。
冨永みーなと川喜多美子がボーカルを取ってます。
ライナーノーツには、くじらいの文と絵による三浦の紹介と
三浦が執筆したアルバム制作時の思い出話が掲載。


若手との交流など、まだまだ紹介したいものはありますが、今日はここまで。
毎度のごとく、回を重ねるたびに長くなっていき、我が事ながら頭が痛いです。
明日はサッパリと一点集中で掘り下げようと思います。

District and Circle lines

District and Circle lines

  • アーティスト: Microchips and Fish
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2007/12/12
  • メディア: CD


↑↑ 最後に、2000年代の三浦作品ではエアポケット的な存在のものを紹介。
現行のケラ&ザ・シンセサイザーズの方向性を模索するために
三浦がYANAと平井義人を集めてスタートしたバンド“Microchips and Fish”のアルバム。
このメンバーにケラと福間創を招聘して、今のシンセへと変貌しました。
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