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P-MODEL MEMBERS RARE DISCS(5)<おまけ編> [特別企画]

P-MODELに縁あるミュージシャンの、今ではちょいと珍しい音盤を紹介する新春企画。
最終回の本日は、総集編というよりもオマケという感じで、
これまで取り上げなかったメンバーや、紹介したメンバーの補足、
さらにP-MODEL在籍経験はなくとも周辺のミュージシャンをアラカルトで紹介します。

それでは、前回までに取り上げなかったメンバーを
私の守備範囲の中で、知ったかぶりしながらご紹介。

【ことぶき光】
一度聞いてみたいと願ってるのが、札幌時代のバンド“みかんむくっ”。
詳細は音廃本のことぶきインタビュー以上には知りませんが、
こちらのサイトにソノシートの写真が残ってます。
(ガラスレコードソノシート文庫 第1集・第2集)
http://www6.kiwi-us.com/~cutbaba/agata.htm

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2018.07 追記:
みかんむくっ ちんダン


祝・CD化!

永遠製菓アワー/菫未来派少年展覧会

永遠製菓アワー/菫未来派少年展覧会

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SUPER FUJI DISCS
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: CD


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【高橋芳一】
先日、初アルバムを発表した高橋。
P-MODEL加入前に“ROOM”というバンドでソノシートを残してます。
それとすっかり失念してましたが、2000年代に学芸大学Trayで
UTS展を開催した際に、会場限定CD-Rを販売してたそうです。
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2018.07 追記:
中野テルヲソロライブ サポート 高橋芳一・中井敏文

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次に、前回までの紹介メンバーの補足。
【中野テルヲ・福間創】
ご存じの方も多い作品ですが、メンツ的にもこれに触れないわけにはいかない。
1998年に発売されたKRAFTWERKトリビュートアルバム
“MUSIQUE NON STOP - A TRIBUTE OF KRAFTWERK”。

ミュージック・ノン・ストップ~ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク

ミュージック・ノン・ストップ~ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/09/23
  • メディア: CD

中野が「COMPUTER LOVE」、福間が「MUSIQUE NON STOP」で参加。
コンピュータラブは中野のレパートリーとなってますね。
本盤は巻上公一プロデュースで、参加メンバーも
ヒカシュー/バッファロー・ドーター/松前公高/
ヲノサトル featuring 明和電機/井上誠/山下康/石野卓球……と、やたら豪華です。

【三浦俊一】
本編で、「サポートや若手ミュージシャンのプロデュースが多い」と書きましたが
その中でも、若手バンドに正式メンバーとして加入して、作品にも残ったケースが、
私が知る限りただ一度あります。
現在も東京を中心に活動を続けるニューウェイブバンド“ヤング100V”です。
(元シンセサイザーズ:杉山圭一のライフワーク的バンドでもあります)

young.jpg
三浦は2000年にギターとして加入して約一年間在籍。
その間に「100V夫人」「恋の惑星直列」の二枚のCDとライブビデオを残しました。
提供曲は形として残ってませんが、
スペース・ショッピングセンターの「僕ら、トキをもらった」が
歌詞を変更して演奏されてました。
guitarmiura.jpg
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2018.07 追記:
ヤング100V(三浦俊一在籍時) ハワイアンのインディアン

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【中野テルヲ】
中野編を掲載後にいただいた情報です。(情報提供:たつろー氏)
V_m.jpg
モノグラムのCD「HARMS HARMONY」に収録された「LOOP」という曲にも
中野の演奏が入ってるとのことでした。
ただしこれは少々複雑で、1987年に中野が演奏したベースのトラックを流用して
新たな曲に仕立て直したというお話し。
中野在籍時に制作されたのは先の「Graphite」だけの様子です。


それでは最後。
P-MODEL周辺のミュージシャンをご紹介。

【秋元きつね】
P-MODEL凍結前はスタッフとして、またその後の平沢ソロでは
初期バックバンドのメンバーとしてステージに上がった秋元一秀。
現在はCGアーティスト「秋元きつね」として活躍されてます。

平沢から独立した後も音楽活動は続けていて、
90年代初頭から音楽と映像の融合したライブを展開。
バンドの方も、ProtoAir/Hz(ヘルツ)/バカ/GiraPhant、と発展します。
紹介するのはHz時代の1995年に発表された「Hz Frequency-3.5 Spiral Link」。
spiral.jpg
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Imparagraph
うさぎにわクリーン

Grid on B
StressMAMA
呼び鈴
Mangroove!
SpiralLink
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ご覧のとおり、2006年と2010年に発表されたソロ名義CD
「セケンのヨウス」「ミンナのヨウス」に再録された曲も多いです。
khz001-400.jpg
khz002-400.jpg
本人の解説では
> 歌以外、自宅録音で音源はAKAI サンプラー、
> RolandSC88とAlesisD4のみ
> かなりしょぼいこと間違いなし!ご一聴あれ!
…と、ありますが、アレンジの基本ラインはほぼ変わらず。
当時の音も既に高い完成度です。

音は平沢直系!…と言うと怒られるかも知れませんが
ここはP-MODELブログですので、なにとぞご容赦を。
何重にもひねられたリズムにメロディと、歌心溢れた太いボーカル。
それに上物を飾るサンプリングが賑やかす、派手な楽曲が特徴。
歌詞曲の世界観も平沢のそれに通じるものがあるので、
90年代初期の平沢ソロが好きな方には、
近作の「セケンのヨウス」「ホントホント」「ミンナのヨウス」をお薦め。
是非ご一聴を。

本業が多忙のようすで、近年はライブも数年に一度のペースですが
また折を見てライブ活動やCD発表をしてくださると嬉しい限り。
まだまだ眠ってる名曲も多いですしね。
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2018.07 追記:









Hzの写真入り動画(この音源なんだろう…)




秋元氏は2014年秋に逝去されました。
故人の功績を偲び、謹んで動画リンクを貼付させていただきます。
CDやグッズなどは2018年追記の現在も、Shop Mecanoにて購入可能ですので、
詳しくは下記リンクなどをご参照下さい。

秋元きつねさん作品リスト
https://blogs.yahoo.co.jp/adoopt_s/65063350.html

秋元きつね 二種 再発 発売中
https://blogs.yahoo.co.jp/adoopt_s/66107127.html
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【monogramme】
モノグラムと中井敏文については中野編で解説済みなので音盤紹介。

return

return

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: seal-s floor
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD


send

send

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: seal-s floor
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD


1991年~1996年レコーディング曲と、2007年に制作された新曲を、
それぞれまとめたモノグラム最新アルバム。
returnはモノグラムのバンドサウンド集大成と言った趣きの作品集で
対してsendの方はエレクトロユニットとしての方向性を高めた、対照的な作品。
コブシの効いたクセある中井ボーカルが麻薬的快感を生み出します。歌モノ大好き。
歌詞カードがついてませんが、これはアルバムに書かれたURLに繋ぐと
特設サイトで歌詞やライナーノーツが公開されていたため。(現在公開停止)

ところで今回、色々な資料をひもといてたら「ナゴムの話」という本のインタビューで、
モノグラムがナゴムレコードコンピレーションアルバムに参加したくだりがあり、その中に

> 最初は小西健司さんに(中略)レコーディングをお願いしたの。
> でも当時の小西さんて、何でもかんでもディストーションかけて音を歪ませるような人で
> 『てみやげ(コンピ収録曲)』がバシバシに歪まされて。パンクみたいになっちゃって。
> で、『これでええやろ、中井』とか言われて、『あ、ありがとうございました!』って
> とりあえず受け取ったけど。でもこれはマズイかなと思って、
> 申し訳ないけど結局ボツにして、また録り直した。

…今でもお持ちでしたら是非とも公開してください。お待ちしてます。
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2018.07 追記:
件の小西MIXてみやげ、その後のモノグラムライブにて配布された、とのことです。

nakaitoshifumi 1stアルバム “monogrammed” 2018年発売。
通販は公式サイト、もしくはTESLAKITEショップより。
http://nakaitoshifumi.jp/
http://shop.teslakite.com/index.php?main_page=product_info&cPath=1_37&products_id=215

nakaitoshifumi 「voices」


nakaitoshifumi「sync」


monogramme_live_2011

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【The Bach Revolution】
最後を締めくくるのは平沢進のシンセの師匠、
神尾明朗(現姓:有島)が参加したバッハ・リヴォリューションです。
バッハについては「電子音楽inジャパン」に、
神尾と平沢の出逢いについては書籍「音楽産業廃棄物」の
神尾・平沢のそれぞれのインタビューに、
平沢が語る思い出についてはMANDRAKE「unreleased materials」ライナーである
「錯乱の扉」に詳しくまとめられてますので、ここでは音盤紹介。


我が心いまだ安らかならず

我が心いまだ安らかならず

  • アーティスト: バッハ・リヴォリューション
  • 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
  • 発売日: 2001/01/24
  • メディア: CD


1stアルバム「我が心いまだ安らかならず」は
パリの現代音楽祭ISCMに入賞した「我が心~」を発売するために
「音響詩『大地震』」「汝れが魂、悪夢より目醒めよ」の2曲を作り足したもの。
日本プログレの括りで語られることもありますが、
現代音楽と言ったほうがしっくりくる作品です。


NO WARNING

NO WARNING

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
  • 発売日: 2001/01/24
  • メディア: CD


それに対して2nd「No Warning」はポップな要素あり、アンビエントな要素あり。
このアルバムを聞くと、小西の回に紹介した「DADA」に似通ったものを感じます。
こちらのアルバムには平沢・田中が参加。ジャケットデザインは平沢裕一。

もう一枚、これらのアルバムの間にバッハが音楽担当した
丹波哲郎監督映画「幻想物語 砂の小舟」のサウンドトラックが存在し、
これを実質的な2ndアルバムと見る向きもあります。
http://www.kaimonokun.com/ShowDtl.php?user_id=151&SYOHINNO=7570=0

他にもシンセお仕事アルバムが数多くありますが割愛。
マンドレイク参加の「シンセサイザースタディ」は有名ですね。
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2018.07 追記:
バッハ・リヴォリューションライブ サポート 平沢進・田中靖美

シンセサイザーランド Live(1978/10/18) 第3部

シンセサイザーランド Live(1978/10/18) 第3部 シンセサイザーランド(司会/内海賢二氏)のライブ(1978年10月18日)より 第3部のバッハ・レボリューシ...



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以上、新春特別企画でした。
「P-MODELに縁あるミュージシャンはこんな音楽も残してるんだ」と興味をもつきっかけや
「こりゃなつかしい!」と振り返るきっかけになってくれれば嬉しく思います。
正月も終わりましたし、次は渋谷AXで皆様とお会いできますのを願いながら、
今回はこれにてお開き。おつかれさまでした。

コメント(3) 

コメント 3

グラッチェ

はじめまして、いつも興味深く拝見してます。
バッハ作品で平沢が参加したのは、スタディとnowarningだけですか?

by グラッチェ (2012-01-19 11:22) 

ジフ

バッハ・リヴォリューション名義の音盤として残ってるのはその二つですね。
ただし、バッハの商業活動用変名ユニット「E-PROJECT」や
プロダクション「エレクトロサウンド」としての仕事は多数あり、
“組曲Xボンバー”や、“パワー・ホール”など、
現在でもCD入手可能なものがいくつかあります。

by ジフ (2012-01-25 01:51) 

ジフ

あ!ごめんなさい!忘れてた!
バッハ・リボリューション&平沢進として“ダミーの策略”が収録された
雑誌付録ソノシートがありました。
by ジフ (2012-01-26 08:09) 

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