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声を出せファルセット Golden Dome Cabaret Show ~泰王国曼谷訪遊記 その3 [特別企画]

タイ・バンコク旅行記 前編
タイ・バンコク旅行記 後編
タイ・バンコク食べある記 前編
タイ・バンコク食べある記 後編
先月行ったバンコク旅行記の5回目をお届けします。
そしてお待たせしました。私が体験してきたSP-2ショウレポートです。

なるべくならこの記事が、これから先に平沢進リスナーの方々が
バンコクSP-2ショウに訪れる際の参考例となれば良いな、と思います。
それではお楽しみください。


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この旅行が決定した頃、一つの野望が生まれました。
それは「バンコクのSP-2(ニューハーフ)ショウに行く」。

ところで、この記事やこれまでのタイ・バンコク旅行記の
端々に出てくる「SP-2」とはなんぞや。
この疑問にはこちらの書籍「SP-2」の告知記事が答えてくれます。

【SP-2 - タイのニューハーフ? いいえ「第2の女性です」 SUSUMU HIRASAWA】
> 女性でもあるにも関わらず男性の身体を持って生まれ、
> 再び女性へと帰還した類無き人間美の体現者達。

ミュージシャン平沢進が長年親交を重ね、幾つもの作品の礎となったタイのニューハーフ。
彼女たちのことを平沢さんは、
「女性であるにも関わらず、男性の身体を持って生まれて来てしまい、
 身体の男性性を消去して女性として生きる人たち」と表現し、
公式名称とされる『サーオプラペーッソーン(第2の女性)』をSP-2と略して呼びました。

SP-2はこれまでに何本かのインタラクティヴ・ライヴにも客演しており、
その美貌と存在感を目の当たりにしましたが、
やはり現地へ行くなら本場のショウを生で見たい。



【PHUKET SIMON CABARET PRESENTATION】

平沢さんの数々の発言を鑑みてSP-2ショウに向かうならば
プーケット・サイモン・キャバレーがベストなのでしょうが、
今回の目的地はバンコク。さすがにプーケットまでは縁が繋がらず。
そういう訳でバンコク市内で行われてるSP-2ショウを調べました。

ガイドブックや観光ブログで主に紹介されるのは「カリプソ」と「マンボー」。
日本人観光客が訪れるキャバレーとしてはこの二つが有名ですし、
どちらも日本人向けの演出で楽しめるとのことです。
(ここで言うキャバレーとは日本のそれと意味が異なり、
 ニューハーフショーの呼称だと思ってください)
しかし私が行きたかったのは別のところ。「ゴールデンドーム」です。

ゴールデンドームは日本の大手ガイドブックにはほとんど載らず、
紹介されてても「中国の団体客に人気」「バンコク在住者向け」「二大ショーに飽きたら」と、
初めてのバンコク観光客には決して薦めていない文言が並びます。
ですが、平沢さんの多くの発言に目を凝らして吟味すると
バンコクでSP-2ショウを見るために向かうべきなのは、ここ以外にありません。


しかし、言葉もろくに分からぬ異国の地。
そんなに簡単にゴールデンドームへと行けるのか。
そもそもチケットやら交通手段やらどうすればいいのか。
それ以前に、果たして本当にゴールデンドームを選ぶべきなのか。

自分なりにそれぞれのキャバレーの場所と交通手段、
チケット入手方法から観劇やチップのマナーを調べて、
当世バンコクSP-2事情に精通する方にご指南いただいた結果、
多人数で最大公約数的にニューハーフショーで遊ぶならカリプソ・マンボー、
数々の悪条件あれども平沢リスナーがSP-2ショウを体験するならゴールデンドーム…と、
結論を導きました。あとは同行者を誘うだけです。
レッツ団体行動。
「ニューハーフショー行こうよ!」
『……うーん』
『ニューハーフねぇ……』
あ。これは興味が無いやつや。オレひとりで行く。
こうして(当初の目論見どおり)行き先はゴールデンドームとなりました。


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バンコク滞在三日目、この日は終日自由行動でした。
ホテルを出発してBTS(高架鉄道)でアソーク駅へ行き、
駅から直結のタイムズスクエア3階にある
HISバンコク支店、スクチャイトラベルラウンジへ。
(タイムズスクエア11階との情報もありますが、2016年6月に3階へ移転したとのこと)
今回の旅行はHISの法人向け旅行ツアーで、
参加者にはHIS発行のバンコクガイドブックが配布されており、
その中に割引クーポンとしてゴールデンドーム入場チケットが紹介されてました。

日本語が話せるスタッフも常駐しており、窓口にはHIS発行ガイドブックが置かれてるし、
HIS主催ツアー参加者じゃなくても、そのまま窓口の申込でクーポンが購入できる様子です。
以下、私の購入例。

(ガイドブックを開いて)「このゴールデンドームのクーポンをください」
『では予約が取れるか調べますのでしばらくお待ち下さい』
………ゴールデンドームへ電話………
『繋がりませんね、まだ営業時間外みたいです』
「何時ぐらいなら繋がるんでしょう?」
『お昼過ぎぐらいですね……カリプソはいかがですか?』
「カリプソも調べましたが、『見るならゴールデンドーム』と
 ショーに詳しい方から勧められたので、そちらにしたいです」
『ゴールデンドームは中国人のお客ばかりですよ?』
「よく知ってます」
『ご存知なんですね、わかりました』

ではまた後でこちらに来ます、と約束し、
同行者たちが行く別プランのオプショナルツアーを予約してから退出。
サイアムの街歩きしたり、ご飯を食べながら時間を潰して
昼過ぎにアソークへ戻ります。

今度はスムーズにゴールデンドームと連絡が取れたようで
本日の公演時間とすり合わせて予約を押さえてもらい、
クーポン購入。VIP席定価1000バーツ(約3000円)→500バーツ(約1500円)なり。
クーポンを買うと最寄り駅から目的地への地図をくれます。
タクシー用のタイ語表記もあるので運転手に見せれば連れてってくれる仕組み。
このサイトに書かれてた通りの流れでした。


公演時間について、ガイドブックには1日6回公演とあり
各開演時間も書かれてましたが、その日によって変化するみたいです。
私が行った日は3回公演で、開演時間もガイド記載とはまったく違ったので
当日確認してから予約するのが間違いないでしょう。
いずれにせよ、ゴールデンドームやSP-2ショウに行くのなら
初めての場合は日本の旅行会社の現地支店が扱う
オプショナルツアーを利用するのが有効かと思われます。


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予約が取れたのは夕方スタートの公演。
それまでアソーク周辺とサイアム周辺を一人でブラブラし、
頃合いを見てBTSアソーク駅に隣接する
MRT(地下鉄)スクンビット駅からスティサン駅へ移動。
スティサン駅を出ると路上は屋台だらけ。(←ストリートビュー)
買食いしたい気にもなりましたがお腹が膨れてたので
眺めるだけで通り過ぎてゴールデンドームを目指します。

クーポンを買った時「距離あるからタクシー乗ってください」と
忠告されましたが、駅から1kmぐらいなので徒歩移動。
曲がり角に自信がなくなったらGoogleマップで位置確認しつつ
路地に入れば一気に住宅街っぽい光景が広がります。
自信がない場合は素直にスティサン駅からタクシーに乗ったほうが良いかも。

「そのうち着くだろう」と、いたってのんびり住宅街を歩いてると
いきなり道をまたぐほどの巨大な「GOLDEN DOME」看板登場。
ストビューで見ると分かりやすいかも。
※ スティサン駅からゴールデンドームまでの道のりを地図にしました。





「さて平沢さんはどこでカエルを見つけたのかな」などと思いつつ
そこらへんを散策してると公演開始時間も近づきます。
受付でクーポンをチケットに引き換えて入場。
入場時にサービスドリンクとしてカップ入りの水をもらい、前から三列目の指定席に着席。
VIP席ってつまり、日本で言うとSS席ぐらいなのか。

ドームの前には観光バスもたくさん停まっており、
バスから降りた観光客も次々と入場してきます。
これがまた、すべての情報そのままのとおり、中国人団体ばかり。
定員680人におよそ7割ぐらいの集客、
あの公演のあの場所に私以外の日本人はいなかったと断言できる勢いでした。

いっとき、日本国内の中国人観光客が多く集う場所に縁があったため、
あちらの団体の特徴は何となく分かってたから面食らうこともなく、
むしろ「あの頃よりマナー良くなったなー」と場を楽しみながら開演待ち。
空いてる私の前の席に後ろの方からドヤドヤ移動してきても
無問題やマイペンライの心を持ってればけっこう便利です。
文句が言いたくなるような実害がふりかかったら
自分の言葉とアイコンタクトで文句言えばお互い通じるしね。


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定刻を少し回ったところでステージの幕が上がり開演。
……と思いきや真ん中にはテーブルが一台と
見るからに普通の女性が一人、マイクを持って登場。
前説なのかなーと思いながら中国語を聞いてたら
毛筆を持った初老の男性が現れて何やら書き始めました。
どうやら、なにか揮毫するパフォーマンスが始まったもようです。たぶん。
「頭當運鴻」ともう一つしたためられましたが達筆で読めず。
その場では皆様の健康と安全を願ってありがたい言葉を書いてる、とか
勝手な解釈をしてましたが、ただいまネットを検索したら
どこかの企業名という説もあり。ホントはなんなんでしょ。


オープニングアクトも終わり、暗転して
ミッション・インポッシブルのテーマとともに今度こそ開演。
ショウは何部構成かに分かれてて、
リップシンクによる歌謡ショーあり(夜来香もありました)、
アジア各国の民族衣装をまとったSP-2が次々登場するステージあり、
ミュージカル風の舞台も演じられたり、
ちょっとハリウッドを意識したステージもありとバラエティに富んでて、
言葉がわからなくとも楽しめる約一時間。

なによりSP-2の美貌と、何人かのステージ映えする存在感を堪能できました。
平沢さんが受けたタイショック初期衝動までは感じられなかったけど
生で見た甲斐は間違いなくありました。これが本場のSP-2ショウかあ。
施設が古く音響もイマイチとも伺ってましたがこれはこれで。
ステージが近い席も取れましたし、公共交通機関だけで行けたし、
異国の地の異国のおとぎ話に紛れ込めた感も味わえたし、
やー楽しかった楽しかった。
おみやげ代わりにステージ写真をいくつか載せますので、しばらくお楽しみください。
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と、ここまでは成功体験。
ショウの後の撮影会を覗いてチップを渡して
晩ごはん食べに行こう、と思ってたら、大いにボラれました。
色んな情報から「撮影会チップは1回50バーツが目安」というのは
頭に入れてましたが、あれよあれよと持ってかれて、どうしてこうなった。
晩メシ食べる気も失せましたわ。


帰国後にゴールデンドームに関するレポートを調べ直したら
トリップアドバイザーでこういう内容を幾つも見つけました。
どれもこれも生の声かと、実体験した人間からそう付け加えます。

“写真撮影をお願いするはやめた方が良いです。”

“チップ渡せ攻撃に閉口”

Golden Dome Cabaret 行く価値あり? - トリップアドバイザー


しかし、時間が経ってから冷静に振り返るならば、
これもまたSP-2の一つの側面であるとも思います。
つまり、平沢さんが常に伝達するSP-2のイメージは
平沢さんが長年かけて交流して信頼と友情を築き上げた
積み重ねを経て発露する側面であるし、
一見さんの好き者エロおやじから金を巻き上げるのも
キャバレーショウは水商売の一環だし、
それで生活してゆくプロとしての側面でもある。

もちろん、彼女たちはそれだけの単純なものではなく、もっと多角的な存在で
平沢さんはそれらに愛ある探究心を持って踏み込んでゆき感銘し、
創作の糧にするほどの衝撃を得たのも事実でしょう。
一言でまとめればクセになるしハマる。

今回は万国点検隊やインタラといった庇護が何もなかったので、
平沢さんがあまり語らないような
水商売の世界で、したたかに暮らすSP-2という側面を体験できました。
これはこれで平沢さんというフィルターを通して
見てただけでは得られない貴重な経験でしょう。


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だけど黙って相場以上のチップをバラまいただけでは
バカな好き者ジープン人で終わってしまいます。
これを読んでからゴールデンドームに行こうと思う方々にアドバイス。

◎ショーは楽しめ、浮かれ気分でそのまま撮影会に行くな
◎旅行用の財布とチップ用の財布を初めから分けておけ
◎チップは写真一枚50~100バーツ、撮りたい枚数から逆算して用意
◎個人的には入場料金+αで500~800バーツが目安?
◎旅行用の財布は絶対に外に出すな

旅行中は現地通貨を入れる財布代わりにジップロックを使う人も多いですが
人前でなるべく見せるようなことをしない方が安全なのは
キャバレーショウに限った話ではありませんが、
物価感覚が狂うからついつい緩みがちになりますよね。
旅慣れてないとこういうポカをやりがち。反省。


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スティサンから戻った当初はけっこう凹んでて
「もう二度と行こうとは思わない」なんて吐いてたけど、
よく考えたら自分のガードが甘いだけだし、
SP-2についての印象が平沢さん任せだったのも甘ちゃんだし、
もう一度、この経験を活かして、
気と財布の紐を引き締めて見に行きたいなーとも思ってます。

今度はドームだけじゃなくてカリプソやマンボーに行って比較したり、
平沢リスナーの聖地とも言えるプーケット・サイモン・キャバレーも楽しそう。
もっとお手軽に下呂温泉ホテルくさかべアルメリアのショウも気になります。

下呂温泉 ホテルくさかべアルメリア

下呂温泉 ホテルくさかべアルメリア

  • 場所: 岐阜県下呂市幸田1811
  • 特色: 下呂市街を一望出来る展望露天風呂と、アロマ・ショー・居酒屋等 充実のパブリックは当ホテルの自慢です。



タイ・バンコク。ご飯も美味しいし、観光しても街歩きしても面白いし、
そしてなによりSP-2の世界を間近で垣間見れて
平沢作品の世界観にも触れられる、とても刺激的な街でした。
とても楽しい思い出ばかりです。

最後に、ご教示くださった節蔵垰井さんに心より感謝します。
ขอบคุณ มาก ครับ !!

SP-2

SP-2

  • 作者: 平沢 進
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/10/30
  • メディア: 大型本



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更新 2016.12.13更新 2017.01.05 ブログトップ

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