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声を出せファルセット Golden Dome Cabaret Show ~泰王国曼谷訪遊記 その3 [特別企画]

タイ・バンコク旅行記 前編
タイ・バンコク旅行記 後編
タイ・バンコク食べある記 前編
タイ・バンコク食べある記 後編
先月行ったバンコク旅行記の5回目をお届けします。
そしてお待たせしました。私が体験してきたSP-2ショウレポートです。

なるべくならこの記事が、これから先に平沢進リスナーの方々が
バンコクSP-2ショウに訪れる際の参考例となれば良いな、と思います。
それではお楽しみください。


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この旅行が決定した頃、一つの野望が生まれました。
それは「バンコクのSP-2(ニューハーフ)ショウに行く」。

ところで、この記事やこれまでのタイ・バンコク旅行記の
端々に出てくる「SP-2」とはなんぞや。
この疑問にはこちらの書籍「SP-2」の告知記事が答えてくれます。

【SP-2 - タイのニューハーフ? いいえ「第2の女性です」 SUSUMU HIRASAWA】
> 女性でもあるにも関わらず男性の身体を持って生まれ、
> 再び女性へと帰還した類無き人間美の体現者達。

ミュージシャン平沢進が長年親交を重ね、幾つもの作品の礎となったタイのニューハーフ。
彼女たちのことを平沢さんは、
「女性であるにも関わらず、男性の身体を持って生まれて来てしまい、
 身体の男性性を消去して女性として生きる人たち」と表現し、
公式名称とされる『サーオプラペーッソーン(第2の女性)』をSP-2と略して呼びました。

SP-2はこれまでに何本かのインタラクティヴ・ライヴにも客演しており、
その美貌と存在感を目の当たりにしましたが、
やはり現地へ行くなら本場のショウを生で見たい。



【PHUKET SIMON CABARET PRESENTATION】

平沢さんの数々の発言を鑑みてSP-2ショウに向かうならば
プーケット・サイモン・キャバレーがベストなのでしょうが、
今回の目的地はバンコク。さすがにプーケットまでは縁が繋がらず。
そういう訳でバンコク市内で行われてるSP-2ショウを調べました。

ガイドブックや観光ブログで主に紹介されるのは「カリプソ」と「マンボー」。
日本人観光客が訪れるキャバレーとしてはこの二つが有名ですし、
どちらも日本人向けの演出で楽しめるとのことです。
(ここで言うキャバレーとは日本のそれと意味が異なり、
 ニューハーフショーの呼称だと思ってください)
しかし私が行きたかったのは別のところ。「ゴールデンドーム」です。

ゴールデンドームは日本の大手ガイドブックにはほとんど載らず、
紹介されてても「中国の団体客に人気」「バンコク在住者向け」「二大ショーに飽きたら」と、
初めてのバンコク観光客には決して薦めていない文言が並びます。
ですが、平沢さんの多くの発言に目を凝らして吟味すると
バンコクでSP-2ショウを見るために向かうべきなのは、ここ以外にありません。


しかし、言葉もろくに分からぬ異国の地。
そんなに簡単にゴールデンドームへと行けるのか。
そもそもチケットやら交通手段やらどうすればいいのか。
それ以前に、果たして本当にゴールデンドームを選ぶべきなのか。

自分なりにそれぞれのキャバレーの場所と交通手段、
チケット入手方法から観劇やチップのマナーを調べて、
当世バンコクSP-2事情に精通する方にご指南いただいた結果、
多人数で最大公約数的にニューハーフショーで遊ぶならカリプソ・マンボー、
数々の悪条件あれども平沢リスナーがSP-2ショウを体験するならゴールデンドーム…と、
結論を導きました。あとは同行者を誘うだけです。
レッツ団体行動。
「ニューハーフショー行こうよ!」
『……うーん』
『ニューハーフねぇ……』
あ。これは興味が無いやつや。オレひとりで行く。
こうして(当初の目論見どおり)行き先はゴールデンドームとなりました。


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バンコク滞在三日目、この日は終日自由行動でした。
ホテルを出発してBTS(高架鉄道)でアソーク駅へ行き、
駅から直結のタイムズスクエア3階にある
HISバンコク支店、スクチャイトラベルラウンジへ。
(タイムズスクエア11階との情報もありますが、2016年6月に3階へ移転したとのこと)
今回の旅行はHISの法人向け旅行ツアーで、
参加者にはHIS発行のバンコクガイドブックが配布されており、
その中に割引クーポンとしてゴールデンドーム入場チケットが紹介されてました。

日本語が話せるスタッフも常駐しており、窓口にはHIS発行ガイドブックが置かれてるし、
HIS主催ツアー参加者じゃなくても、そのまま窓口の申込でクーポンが購入できる様子です。
以下、私の購入例。

(ガイドブックを開いて)「このゴールデンドームのクーポンをください」
『では予約が取れるか調べますのでしばらくお待ち下さい』
………ゴールデンドームへ電話………
『繋がりませんね、まだ営業時間外みたいです』
「何時ぐらいなら繋がるんでしょう?」
『お昼過ぎぐらいですね……カリプソはいかがですか?』
「カリプソも調べましたが、『見るならゴールデンドーム』と
 ショーに詳しい方から勧められたので、そちらにしたいです」
『ゴールデンドームは中国人のお客ばかりですよ?』
「よく知ってます」
『ご存知なんですね、わかりました』

ではまた後でこちらに来ます、と約束し、
同行者たちが行く別プランのオプショナルツアーを予約してから退出。
サイアムの街歩きしたり、ご飯を食べながら時間を潰して
昼過ぎにアソークへ戻ります。

今度はスムーズにゴールデンドームと連絡が取れたようで
本日の公演時間とすり合わせて予約を押さえてもらい、
クーポン購入。VIP席定価1000バーツ(約3000円)→500バーツ(約1500円)なり。
クーポンを買うと最寄り駅から目的地への地図をくれます。
タクシー用のタイ語表記もあるので運転手に見せれば連れてってくれる仕組み。
このサイトに書かれてた通りの流れでした。


公演時間について、ガイドブックには1日6回公演とあり
各開演時間も書かれてましたが、その日によって変化するみたいです。
私が行った日は3回公演で、開演時間もガイド記載とはまったく違ったので
当日確認してから予約するのが間違いないでしょう。
いずれにせよ、ゴールデンドームやSP-2ショウに行くのなら
初めての場合は日本の旅行会社の現地支店が扱う
オプショナルツアーを利用するのが有効かと思われます。


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予約が取れたのは夕方スタートの公演。
それまでアソーク周辺とサイアム周辺を一人でブラブラし、
頃合いを見てBTSアソーク駅に隣接する
MRT(地下鉄)スクンビット駅からスティサン駅へ移動。
スティサン駅を出ると路上は屋台だらけ。(←ストリートビュー)
買食いしたい気にもなりましたがお腹が膨れてたので
眺めるだけで通り過ぎてゴールデンドームを目指します。

クーポンを買った時「距離あるからタクシー乗ってください」と
忠告されましたが、駅から1kmぐらいなので徒歩移動。
曲がり角に自信がなくなったらGoogleマップで位置確認しつつ
路地に入れば一気に住宅街っぽい光景が広がります。
自信がない場合は素直にスティサン駅からタクシーに乗ったほうが良いかも。

「そのうち着くだろう」と、いたってのんびり住宅街を歩いてると
いきなり道をまたぐほどの巨大な「GOLDEN DOME」看板登場。
ストビューで見ると分かりやすいかも。
※ スティサン駅からゴールデンドームまでの道のりを地図にしました。





「さて平沢さんはどこでカエルを見つけたのかな」などと思いつつ
そこらへんを散策してると公演開始時間も近づきます。
受付でクーポンをチケットに引き換えて入場。
入場時にサービスドリンクとしてカップ入りの水をもらい、前から三列目の指定席に着席。
VIP席ってつまり、日本で言うとSS席ぐらいなのか。

ドームの前には観光バスもたくさん停まっており、
バスから降りた観光客も次々と入場してきます。
これがまた、すべての情報そのままのとおり、中国人団体ばかり。
定員680人におよそ7割ぐらいの集客、
あの公演のあの場所に私以外の日本人はいなかったと断言できる勢いでした。

いっとき、日本国内の中国人観光客が多く集う場所に縁があったため、
あちらの団体の特徴は何となく分かってたから面食らうこともなく、
むしろ「あの頃よりマナー良くなったなー」と場を楽しみながら開演待ち。
空いてる私の前の席に後ろの方からドヤドヤ移動してきても
無問題やマイペンライの心を持ってればけっこう便利です。
文句が言いたくなるような実害がふりかかったら
自分の言葉とアイコンタクトで文句言えばお互い通じるしね。


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定刻を少し回ったところでステージの幕が上がり開演。
……と思いきや真ん中にはテーブルが一台と
見るからに普通の女性が一人、マイクを持って登場。
前説なのかなーと思いながら中国語を聞いてたら
毛筆を持った初老の男性が現れて何やら書き始めました。
どうやら、なにか揮毫するパフォーマンスが始まったもようです。たぶん。
「頭當運鴻」ともう一つしたためられましたが達筆で読めず。
その場では皆様の健康と安全を願ってありがたい言葉を書いてる、とか
勝手な解釈をしてましたが、ただいまネットを検索したら
どこかの企業名という説もあり。ホントはなんなんでしょ。


オープニングアクトも終わり、暗転して
ミッション・インポッシブルのテーマとともに今度こそ開演。
ショウは何部構成かに分かれてて、
リップシンクによる歌謡ショーあり(夜来香もありました)、
アジア各国の民族衣装をまとったSP-2が次々登場するステージあり、
ミュージカル風の舞台も演じられたり、
ちょっとハリウッドを意識したステージもありとバラエティに富んでて、
言葉がわからなくとも楽しめる約一時間。

なによりSP-2の美貌と、何人かのステージ映えする存在感を堪能できました。
平沢さんが受けたタイショック初期衝動までは感じられなかったけど
生で見た甲斐は間違いなくありました。これが本場のSP-2ショウかあ。
施設が古く音響もイマイチとも伺ってましたがこれはこれで。
ステージが近い席も取れましたし、公共交通機関だけで行けたし、
異国の地の異国のおとぎ話に紛れ込めた感も味わえたし、
やー楽しかった楽しかった。
おみやげ代わりにステージ写真をいくつか載せますので、しばらくお楽しみください。
gd012.jpg
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と、ここまでは成功体験。
ショウの後の撮影会を覗いてチップを渡して
晩ごはん食べに行こう、と思ってたら、大いにボラれました。
色んな情報から「撮影会チップは1回50バーツが目安」というのは
頭に入れてましたが、あれよあれよと持ってかれて、どうしてこうなった。
晩メシ食べる気も失せましたわ。


帰国後にゴールデンドームに関するレポートを調べ直したら
トリップアドバイザーでこういう内容を幾つも見つけました。
どれもこれも生の声かと、実体験した人間からそう付け加えます。

“写真撮影をお願いするはやめた方が良いです。”

“チップ渡せ攻撃に閉口”

Golden Dome Cabaret 行く価値あり? - トリップアドバイザー


しかし、時間が経ってから冷静に振り返るならば、
これもまたSP-2の一つの側面であるとも思います。
つまり、平沢さんが常に伝達するSP-2のイメージは
平沢さんが長年かけて交流して信頼と友情を築き上げた
積み重ねを経て発露する側面であるし、
一見さんの好き者エロおやじから金を巻き上げるのも
キャバレーショウは水商売の一環だし、
それで生活してゆくプロとしての側面でもある。

もちろん、彼女たちはそれだけの単純なものではなく、もっと多角的な存在で
平沢さんはそれらに愛ある探究心を持って踏み込んでゆき感銘し、
創作の糧にするほどの衝撃を得たのも事実でしょう。
一言でまとめればクセになるしハマる。

今回は万国点検隊やインタラといった庇護が何もなかったので、
平沢さんがあまり語らないような
水商売の世界で、したたかに暮らすSP-2という側面を体験できました。
これはこれで平沢さんというフィルターを通して
見てただけでは得られない貴重な経験でしょう。


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だけど黙って相場以上のチップをバラまいただけでは
バカな好き者ジープン人で終わってしまいます。
これを読んでからゴールデンドームに行こうと思う方々にアドバイス。

◎ショーは楽しめ、浮かれ気分でそのまま撮影会に行くな
◎旅行用の財布とチップ用の財布を初めから分けておけ
◎チップは写真一枚50~100バーツ、撮りたい枚数から逆算して用意
◎個人的には入場料金+αで500~800バーツが目安?
◎旅行用の財布は絶対に外に出すな

旅行中は現地通貨を入れる財布代わりにジップロックを使う人も多いですが
人前でなるべく見せるようなことをしない方が安全なのは
キャバレーショウに限った話ではありませんが、
物価感覚が狂うからついつい緩みがちになりますよね。
旅慣れてないとこういうポカをやりがち。反省。


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スティサンから戻った当初はけっこう凹んでて
「もう二度と行こうとは思わない」なんて吐いてたけど、
よく考えたら自分のガードが甘いだけだし、
SP-2についての印象が平沢さん任せだったのも甘ちゃんだし、
もう一度、この経験を活かして、
気と財布の紐を引き締めて見に行きたいなーとも思ってます。

今度はドームだけじゃなくてカリプソやマンボーに行って比較したり、
平沢リスナーの聖地とも言えるプーケット・サイモン・キャバレーも楽しそう。
もっとお手軽に下呂温泉ホテルくさかべアルメリアのショウも気になります。

下呂温泉 ホテルくさかべアルメリア

下呂温泉 ホテルくさかべアルメリア

  • 場所: 岐阜県下呂市幸田1811
  • 特色: 下呂市街を一望出来る展望露天風呂と、アロマ・ショー・居酒屋等 充実のパブリックは当ホテルの自慢です。



タイ・バンコク。ご飯も美味しいし、観光しても街歩きしても面白いし、
そしてなによりSP-2の世界を間近で垣間見れて
平沢作品の世界観にも触れられる、とても刺激的な街でした。
とても楽しい思い出ばかりです。

最後に、ご教示くださった節蔵垰井さんに心より感謝します。
ขอบคุณ มาก ครับ !!

SP-2

SP-2

  • 作者: 平沢 進
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/10/30
  • メディア: 大型本



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食べ歩けBKK(買い物編) ~泰王国曼谷訪遊記 その2b [特別企画]

タイ・バンコク旅行記 前編
タイ・バンコク旅行記 後編
タイ・バンコク食べある記 前編
今回は旅先のスーパーやコンビニで見かけた食品について、
思い出すままトピックごとにあれこれ書き連ねます。
これまでに比べたら写真が少ないので、補足がてらリンクを貼っておきます。
よろしければそちらにも飛んでみてください。


【コンビニフード】
前回の記事のとおり、外食以外で買い食いしてる余裕は
ほとんどありませんでした。
そんな中でもコンビニでもちょっとつまもうか、と
ホテルの近所のセブンイレブンに立ち寄り。
バンコクに着いてから日本に帰るまでお世話になったセブンイレブン。
2016年9月末現在、タイには9400店舗以上あるらしく、どこでも見かけました。

日本の店舗よりやや小ぶりな敷地面積の中には
コンビニらしく圧縮陳列された数々の商品がぎっしり。
取扱品についてはこちらの記事に詳しく書かれてますが
お惣菜コーナーで手に取ったのはプライベートブランドの
Spicy Minced Meat(pork&chicken) Sticky Rice Burger。
gapao.jpg
(食べ終わった後の写真でごめんなさい)
タイ料理のご飯もの代表格であるガパオライスを
ライスバーガーにしたものみたいです。24バーツ(約75円)。
ホテルに戻って食べてみれば、想像通りのカパオ丼状態。
注目すべき点はSticky Rice。つまりパラパラのインディカ米。
それを圧力で固めてバンズにしてるから歯ごたえもなかなか。
その点を除けば味付けもほどよくお気に入りの味でした。
別の日にもう一回買って食べたくらい。


【お菓子】
◎ポッキー・プリッツ
コンビニはお菓子売り場も充実してて
まず最初に目についたのはポッキー・プリッツ。
本家グリコ製品から韓国ロッテのペペロや後発商品などが
種類豊富に並んでました。

その中でも気になるのは、やはり本家グリコ。
タイグリコ株式会社という現地法人を設置して
そこを拠点に東南アジア諸国に展開してる模様。

日本でおなじみのデザインのポッキーやプリッツに混じって
トムヤムクン味ラープ味のプリッツが必ず売ってました。
ホントどこでも見かけた。定番商品として定着してる感バリバリです。
コンビニだと15バーツ(約45円)ぐらいだったかな。ポッキーとかも同価格帯。
スーパーで売ってた48バーツのお徳用サイズをしこたま買い込み
バラマキ土産に大活躍しました。

ポッキーは日本で見るのと同じような商品展開でしたが
クッキー&クリーム味が日本未発売らしくて家人からのお土産指令。
個人的にも食べましたが、普通に日本で売っても良いのにという感想。
オレオを棒状にした感じ。
(※期間限定パンダポッキーがこの味だったみたいですね)

他にグリコ製品で気になったのが日本じゃ見ない「pejoy」
筒状のプレッツェルの中にチョコレートクリームを流し込んだお菓子。
……って、そりゃトッポやんけー。
グリコ公式アカウントのツイートによれば
日本以外の地域で展開したり、期間限定でオフィスグリコでも扱ったみたい。
けっこう美味しかったです。やっぱこれだね~。



◎チョコ・キャラメル・ビスケット
大々的に展開してたグリコ製品に比べて、
チョコやビスケットはヨーロッパブランドのものが多かったです。
成城石井やカルディにいっぱいおいてあるブランドばかり。
キャドバリーとかリッタースポーツとかトブラローネとか、
クッキーはデンマーク産のものが多く、なるほどねーと言った感じ。
ちょっと高級スーパーに行くと日本製品で固めたコーナーがあって
割高ながらも日本のスーパーで見かけるものが並んでました。


◎昆虫食(閲覧注意)
スナック菓子は現地のフレーバーや
海苔味わさび味を見かけたものの、あんまり心躍らず。
代わりに心奪われたのはおつまみスナックコーナーのコレ。
mushi3.jpg
蚕のさなぎ揚げスナック。
しかもこんな可愛いパッケージを施されて。
あらやだうっかり手にしてしまいそう。

昆虫屋台が夜な夜な出回るとは噂には聞いてましたが
まさかコンビニで普通にグミとかみたいにフックがけで並んでるとは。
心は奪われるも買うには至らず。
同行してた女子後輩が「うちのトカゲがこんなの食べてる」との
名言とともに、嬉々として買ってましたが食べたのかなあ。

メーカーのサイトを探しましたがFBしか見つからず
でもけっこう大々的にセールスしてるらしくて
セブンイレブンには必ず置いてあったし、
サイアム地域を走るバスにこのキャラがラッピング広告されてるのを見ました。

追記:
メーカー公式サイト見つかりました。
マレーントート・ハイソーという商品ブランドみたい。
発売当時に日本で紹介された記事も紹介。
タイのコンビニに「揚げ昆虫スナック」 外国人の間で話題に


【加工食品】
◎インスタントラーメン
麺類大好きなお国柄らしくインスタントラーメンも豊富なラインナップでした。
でもタイのラーメンって結構、日本にも輸入されてるんですよね。
あまり目新しいのは見かけなかったなー。
スーパーで売られてるまとめ売りラーメンで10食パックとか見ました。
そんなに食えないよ。
あとはなぜかアニメチックなキャラが前面に押し出されたラーメンとか。
何味だったんだろ。


◎インスタント粥
ラーメンよりも個人的に面白かったインスタント食品はこちら。
タイの朝食でおなじみのお粥もインスタント展開です。
お粥には二種類あり、日本で言う全粥のように米粒が残らない「ジョーク」、
それに対して米粒の形が残る雑炊的な「カオトム」。
【タイの2つのお粥~カオトムとジョーク】

……というのが、旅行前に家人から叩き込まれたレクチャー内容。
クノールと始めとする数種類のメーカーがインスタント粥を出してて
軽くてかさばらず持ち帰りに重宝するのでたくさん買ってきてください、
という指令とともに熱く語られました。

はじめてのおつかい状態でスーパーまで行ってみれば
確かにいっぱい並んでました。
最大手がクノールでポーク味・チキン味・エビ味など10種類近くあり
どう見てもカニカマのイラストがついたものもありましたが
あれは果たして何だったんでしょうか。

他にも多国籍企業の商品もあれば現地企業のもあるし、
バラ売りもしてればまとめパック商品もあって、なかなか盛況でした。
ジョークとカオトムの比率は8:2ぐらいかな。
作り方は基本的にインスタント粥と規定量の水を鍋に入れて煮込むみたいですが
クノールのジョークはカップスープみたいな商品もあり、
そちらはコンビニにも並んでました。


【果物】
◎生鮮フルーツ
フルーツのシーズンオフとは言えども
スーパーに行けばさすがに種類は揃ってます。
ガイドブックに載ってるようなのは大抵見かけたかな。
屋台に売られてるのからホテルで出てきたものまで
いくつか試しましたが、印象に残ってるのはバナナ。

冷やかし半分に屋台の20バーツモンキーバナナを試し買いしたところ、
日本で食べ慣れてるものには無いような芳しい香りと甘み。
これが青いのを追熟させた輸入バナナとの違いかー! と目ウロコでした。
もう一回買って食べればよかったと今でも時々思い出します。

みんな大好きドリアンは季節外れらしくて
むき身のものがスーパーに並んでたくらい。
マンゴーは買い食いしたけどあまり甘くなかった。
どちらもハイシーズンに心ゆくまで食べてみたい。


◎ドライフルーツ
果物大国はドライフルーツ大国でもあります。
ドライマンゴーやドライグアバなどは普段遣いから土産物まで色々と並んでて
それはそれはどこへ行っても見かけましたが、
私が一番熱心に探してたのはドライオレンジ。

ファミリーマートのお菓子にドライマンダリンオレンジがありまして、
一時期それをハマり食いしてたんです。
裏面表示の産地にはタイと書かれており、
これはきっとタイにはドライオレンジがいっぱい安く売ってるに違いない
金のある限り買い尽くしてドライオレンジ貯蓄をしよう、と
皮算用を弾いてました。

しかしスーパーやコンビニに行っても見つからない。
スーパーには決まってドライフルーツコーナーはあるのに並んでない。
高級路線のスーパーを探したらようやく見つけたのが
見るからにオーガニック系なメーカーのもので
ファミマで売ってるのと同じくらいのサイズ。

あ、いま公式サイト見つけたらMサイズや
もっと大きいバスケットサイズがあった。
セントラルエンバシーに行けば良かったのだろか?


値段的な旨味はなかったのでそれを2つほど買って様子見。
その後、BTSに乗って市街地をブラブラしてたら
駅ナカの出店にドライフルーツ屋さんを発見。
覗いてみたら、あったーあったよードライオレンジ。
空港用のパッケージのまま売られてるためかけっこう割高、
300gで280バーツ(約850円)ぐらいか。探し疲れたそれください。
アメ横のドライフルーツ通販大手より若干安いくらいでした。
てことはこれが切れたらそこで通販した方が早いのか。


ダークホース的に当たりだったのが干しバナナ。
スーパーで売られてた干しバナナと干しモンキーバナナを
なんとはなく買ったのですがこれがハマる味。
バナナチップのようにカラッと揚げてるんじゃないから
干し芋のようなネットリした食感で程よい甘み。
バナナチップより好きだな、これ。流行るよ!
自分のために通販リンク貼っときます。


【液体系】
◎ミネラルウォーター
お水はもうどこでも不自由することなく買い求められました。
宿泊したホテルが500mlサイズを1日2本提供してくれるし、
コンビニに行けば大々的に展開してるし。
私はいろはすのタイバージョンを面白がって買ってました。
あとはネスレのミニボトル、7バーツ(約20円)って
日本の相場に慣れてると感覚が変になりますね。


◎豆乳
同行者が目を丸くしてたのが「なんでこんなに豆乳がいっぱい売ってるの?」
なんでも初日の夜にスーパーでビタミルク(平沢さんでおなじみの)を
たまたま買ったらしく、それにいたく感動して、
次の日にはパック豆乳をまとめ買いしてました。
私は平沢さんが語るお話によりタイが豆乳王国なのを事前情報で知ってましたが、
たしかにスーパーの棚一面が豆乳で埋め尽くされてるのは圧巻でした。


◎ヨーグルト
私の方は豆乳には手を出さず、代わりに買ったのがヨーグルト。
ダノンのビオのナタデココ入り。
翌朝に食べましたがやたら甘い。そしていつまでも口に残る甘み。
うーん、人工甘味料が入ってたか。ダノンだからダイジョブだと思ったら。
酸味に強い国という印象ですが、甘いものはとことん甘くするのか。


◎緑茶
緑茶、いっぱい並んでました。あっちでブームみたいです。
でもオレ知ってる! これ甘いって。
砂糖入りの緑茶が定着してるってのはよく聞いた話なので、
それはそれで美味しいんでしょうけど、
私はやはりミネラルウォーター感覚でお茶を飲みたい。
というわけで、シュガーフリーの緑茶を探しました。
見つけたのが現地法人である「OISHI(おいしい)」のシュガーフリー緑茶。
伊藤園の緑茶もありましたが25バーツ(約75円)、飲み物の値段じゃない。
伊藤園の飲みたきゃ日本で飲めばいいしー、
ここはタイだし現地のものを飲もうぜ、ということで買いました。
あ、これは30年前の缶入り茶だ。
新幹線ホームでむかし売ってたポリ容器入りの煎茶といっても良い。
旨味が無くてにがーいんですよ。懐かしい味でした。
というわけで、以後はミネラルウォーターばかり飲む次第。


◎ジュース
ジュースも色々ありました。
日本のタイ料理屋でもたまに見かけるエストコーラから、
ブラックライトを当てたら光り出しそうなジュースまで。
基本、お茶派なのでジュースは普段飲みませんが、
ちょっと探してたのがタマリンドジュース。

タイでは酸味のきいた果物扱いだったり調味料にもされる
タマリンドという果物(→Google画像検索:見た目は果物っぽくないのですが
名古屋の老舗タイ料理屋にタマリンドジュースが置いてて
それがなんとなく飲みたくて、それっぽいので見つかったのが
タマリンドとライムの絵が描かれたペットボトルドリンク。
これが当たりでした。甘さ控えめで酸っぱさ押し。
こういうのレストランで飲むと美味しそう。
写真も撮りましたがピンぼけでよく分からないことになって残念。


【嗜好品】
タイは酒やタバコの販売に厳しくて、アルコールは一日の中で10時間だけ販売、
タバコは店頭陳列禁止で口頭販売のみ、とのことです。

私は酒もタバコもやりませんのでこの点は苦労しませんでしたが、
喫煙者の同行者は持ち込みの時から頭を悩ませてたようです。
なんでもタバコは国内持ち込みにも規定があるらしく、
持ち込みすぎると即罰金とか。大変そう……。

「現地でタバコ買うのは?」と尋ねたら
「パッケージが嫌なんだよ……」との返事。
『タイ タバコ パッケージ』で検索したら、あーあーあー納得。
(検索は自己責任で)
全然知りませんでしたがそんなことになってるんですね。

それらの代わりなのかどうか分かりませんが
「ヤードム」という嗜好品が流行ってる模様。なにそれ?

上記リンクから引用すると
> そもそもヤードムとはどのようなモノなのでしょう?
> タイ語で「ヤー(ยา)」とは「薬」を、
> 「ドム(ดม)」とは「嗅ぐ」を意味します。
> つまり、ヤードム(ยาดม)とは「嗅ぎ薬」のこと。
> メンソールなどの清涼感のある香りを染み込ませた
> スティック状のアロマがヤードム。
> 常夏の国に暮らす人々の生活の知恵が生み出したアイデア商品なのです。

これも家人からの買い出し指令のひとつでして、
「コンビニに行けば絶対売ってるらしいから」とのことでしたが
ピンとこないので半信半疑。
で、セブンイレブンに入ったらカウンター脇に確かにありました。
リップクリームのようなものが山積み。
バラマキ土産に最適だからとにかく買ってこいとの指令なので
よく分からないままカゴに入れます。一個20バーツ(約60円)でした。

その後に寄ったコンビニにも必ずあるヤードム。
スーパーでは数本セットで吊るし売りまでされてました。
街中でも普通に使われると聞いてたので、
実際使ってる人はいるのかな? と観察してましたが、いましたいましたよ。
こんな可愛いヤードムじゃなくて
タイガーバームみたいな瓶を鼻に当てて嗅いでるおばちゃんを何人も。
あーほんまにこんな文化あんねんなー。

結局20本近く買ったでしょうか。
仕事場のバラマキ土産にも置いときましたが
さすがに食品に比べて持ってかれるのは遅かったです。
でもいつの間にか消えてた。どこかで誰かが使ってるんだろうか。
家人が使ってるのは、まだ見たことありません。

追記 12/10:
書籍“SP-2”を読み返してたところ、ヤードムも登場してましたね。
あちらではPOY-SIANという大手定番ブランドの名称でしたが。
平沢さんの文章で概要や使い方を解説されてるので興味のある方は……って、
なんであの書籍、今は入手困難なんだろう……。
SP-2ファイナルの発刊とともに再販を強く願います。

---------
思いつくままトピックを書き出して膨らませてったら
こんな思い出語りになってしまった。
書いてる方は旅の振り返りで楽しかったですが
読んでる皆さんは、どうなんでしょうね。この長さ。
気になるトピックにでも目を通していただけたなら幸いです。


さて次回はタイ・バンコク旅行記最終回。
きっとお待ちかねのSP-2ショウレポートをお届けいたします。
それではまた。

スーパーマーケットマニア アジア編

スーパーマーケットマニア アジア編

  • 作者: 森井 ユカ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/08/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



プリッツ トムヤムクン味

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  • 出版社/メーカー: Gligo Thai
  • メディア: その他



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  • 出版社/メーカー: Gligo Thai
  • メディア: その他



世界美食探究 タイ産 無添加ドライバナナ 1kg

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  • 出版社/メーカー: オーストリッチファクトリー株式会社
  • メディア: その他






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食べ歩けBKK(外食編) ~泰王国曼谷訪遊記 その2a [特別企画]

タイ・バンコク旅行記 前編
タイ・バンコク旅行記 後編
先月下旬に行ったタイ・バンコク旅行。
ここからは視点を変えて、食べ物の話題を二回に渡ってお届けします。
まずは外食編から。

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人生八十年。一年三百六十五日。一日三食。
人間どんなに頑張っても、食事の数には限りがあります。
美味しいご飯を食べたい、できることなら腹いっぱい。
これは異国の地バンコクで、欲望に任せてただただ食べ歩いた記録です。

今回の旅程は三泊四日。単純計算だと12食ですが、
初日の朝と最終日の夜は日本だし、往復の機内食も出るし4食マイナス。
スケジュールを見ると二日目は昼夜とも食事つきの懇親会で
朝食は三日間ともホテルで出るから、さらに5食減らして。
あれ。自由に食べれるのって3食だけだ。

せっかくだから一回ぐらいは評判のタイ料理屋で食べたいなー。
などと思い巡らせ、バンコクグルメブログにいくつか目を通し、
気になるお店の住所を調べてGoogleマップに保存して。
(スマホ・タブレット+Googleマップは便利すぎました)
宿泊先に荷物を降ろして身軽に! いざ行かん美食の街へ!!

……とかなんとか、ひとり意気込んでたら、
同行者がバーツを持ち合わせてないと判明。
タイに着いてから空港で両替しようと思ってたら
送迎バスの運転手に「渋滞に巻き込まれたくない」
「空港よりレートが良い店が街にある」と促されてそのまま出発したため。

私は旅立つ前に現地通貨を持ってた方が何かあっても安心だろうと
数千円分のバーツを手にしてましたが、
ほとんどの参加者がまだ両替してないとのことなので
「それじゃあみんなで」と駅前の両替商に行くことになりました。

しかし、時すでに遅し。
夕方を回りかけた時間帯なので両替商はどこも閉店。
いま思えばその日は両替を諦めて、そこらじゅうに設置されてた
ATMでのクレカキャッシングでバーツを引き出すのが
最善手だったのでしょうが、レートが良い両替に拘りすぎた。
こういうのは臨機応変な判断が重要ですね。

結局その日は現金を持ち合わせてる人たちがお金を出して
総勢10人で駅前の中華系タイ料理屋に入って晩ごはん。
一人だいたい二皿+飲み物を頼み、
瓶ビールを呑んでる人も合わせて合計1400バーツだったかな。
一人頭140バーツてことは……約500円? こりゃ安い。
私が頼んだのはカオパックン(海老チャーハン)に青菜と焼きアヒル。
01ahiru.JPG
味は正直いまいちでした。
一食損した。


二日目の朝食はホテルビュッフェ。
タイ料理風朝食+洋食ブレックファスト+フルーツのラインナップで、
タイの朝食の代名詞ともいえるカオトム
(お粥、米粒の形が残ってるので雑炊に近い)があったのは高ポイント。
02kaotom.JPG
なかなか日本では食べる機会がありませんよね。
フルーツはパパイヤが意外と美味しかった。

この日に行われた懇親会では両方ともタイ料理が振舞われました。
昼食はビュッフェスタイルで夕食はコースメニュー、
どちらも上品な味つけで美味しゅうございましたが
どちらのときもアローイアロイと食べてると、
箸のつけられなかった残り物が次から次へと回ってくるのが良し悪し。
お腹ぽんぽんで苦しゅうございます……。

この日、参加者の中でも評判が良かったのは
カオニャオ・マムアン(マンゴーともち米)。甘くて美味しくて鉄板!!
02mango.JPG

トムカーガイも美味しかったなあ。
02tomkagai.JPG

これはナッツやローストココナツ、乾燥海老にざく切りライムを
胡椒の葉っぱで包み調味料をかけて食べる前菜、ミエン・カム
02mienkam.JPG
どれもとても満足でした。ごちそうさま。


三日目は胃もたれからスタート。
朝食にカオトムを食べに行く気すら起こらなかったので
買い置きのフルーツで済ませ(買い出し食べ物の話はまた後日)。
この日は自由行動なので、まずは同行者達と繁華街サイアムをぶらぶら。

ご承知の通り、バンコクという街は超高層ビルが林立するすぐ隣に
ボロボロのトタン屋根の民家が立ち並ぶブロックが毅然と存在する、
まるでモザイク工芸のように渾然一体とした都市なので
街歩きをすればそれらの光景がダイレクトに飛び込んできます。
ホントにアルバム“Sim City”ライナーにあるストーリーそのまま。

同行者のオーダーにより、この日の昼食は屋台メシに決定。
ホテルの足もとに広がる街にも、歩道沿いに屋台が広がっており
機会あれば食べたいなと思ってたのですが、そこらへんは夕方から営業が中心。
時間もあるので昼食を食べられる屋台を探そう、と相成ったのですが。
ノープランで適当にうろついてたので見つかるものも見つからず。
東京で言えば銀座三丁目の路上でローカル屋台を探すようなものだから
どだい無理な話でしたわ。

実は厳密に言えばまるで無かったわけでもなくて、
モザイク都市だから路地に行けばなんとかなるだろうと、
都心部のブロックを離れたら行き着いたのが病院の一区画。
(後で調べたらタイ王国国家警察病院でした)
そこの敷地内に大きなテントが張られており、バザールが開かれてました。
物味遊山で覗いてみたら見事に外国人観光客のいない世界。
03bazar1.JPG
03bazar2.JPG
テントの中では中食のようなお惣菜も販売されてて、
「こういうの食べると美味しいんじゃない?」と思いましたが
タイ語オンリーのアウェイだし、座って食べる場所もないし、
そもそもどんな食材の料理なのか、参加者一同見当もつかない。
後で聞いたら「おいしそーだなー」と思ってたの、私だけで
他のメンバーは皆、腰が引けてたとか。
えー。美味しそうな香りしてたのにー。

個人的に見た範囲では麺類・惣菜・果物などなど
数種類のブースで提供されてました。
麺は米粉のものがセンミー・センレック・センヤイなど太さも選べて
卵麺もあったかな。
ただ、器がタイ屋台名物のビニール袋持ち帰りだったし、
初アジア旅行のメンバーがいきなり食べるには高難易度だったのは確か。
そりゃあ、地元の人向けのバザールだしね……。


歩きはじめて約3時間。ここまでサイアムパラゴンの中の
マックやシナボンで軽食を摂ったり、道端で焼かれてたソーセージ串や豚串を
(それぞれ10バーツ)つまんでましたが、そろそろまともな料理が食べたい。
03ippudo.JPG
サイアムパラゴンの一風堂と日本では珍しくなったシナボン

屋台も見つからなかったし、それじゃ私が下調べした場所に行こう、と
足を向けたのはMBKセンター。
タイ屋台グルメの入門編として名高い、6Fのフードコートに向かいました。

ここ、ずーっと行ってみたかったんです。
初めて知ったのはタイ料理に興味を持ち始めた90年代後半。
なぜか4×4MAGAZINEが出版した「バンコク屋台グルメ最新現地ガイド'99」に
『屋台突撃の前のトレーニングフィールド』として、
いの一番に紹介されててそれがとても美味しそうで。
以来、寝る前や腹が減ったときにこの本を眺め続けて十数年。
いよいよ現地に赴いて実食できる日がくるなんて感激。

掲載写真の頃からリニューアルされて小綺麗になってたフードコート。
バンコクのショッピングセンターのフードコートは現金を直接やり取りしない
全店統一支払いのクーポン制またはカードチャージ制が主流で、こちらは後者。
テナントで食べ物を購入する前に入口カウンターでカードに入金します。
03mbk1.JPG
使わなかった金額は最後に払い戻しできるので
食べたいものを先に見回ってから大体の金額を頭に入れて
入り口に戻って気持ち多めにチャージするのが良さげ。
後はチャージしたカードを手に、テナントに行って食べたいものを注文。
メニューボードがあるところもあれば、テナントの壁にナンバー入りの
メニュー写真を掲示してるところもあるので
指差しでも「なんばーすりーぷりーず」でも注文できます。

壁に沿って各種タイ料理を出すテナントが十数店並んでて
見てるだけで食欲がそそられます。
他にも反対側の壁には各国料理のテナントがあるし、
島状に位置するテナントは甘味が中心なのかな。
03taiyaki.JPG
甘味コーナーにあった鯛焼き抹茶ソフト

とにかく食べ物屋さんで溢れんばかりのフードコートです。
地元の人達だけでなく外国人旅行客にも有名なスポットなので
座席はかなりの大混雑。早めに决めて席を押さえたほうが良さそう。

食べたいものばかりで目移りして仕方ない中、
悩みに悩んでソムタムとベジタブルセンレックトムヤムを選択。
03tsomtammen.JPG

二品で120バーツ(約360円)でした。
フードコートは屋台より割高と言われてますが、
それでも安い、安いよー。
ソムタムは日本じゃ珍しいホーリーバジルがついてるし
センレックトムヤムのベジタブルってなんだろう?と思ったら
魚のすり身ボールの代わりに球状の油揚げ!
チャーシューの代わりに揚げ春巻き皮!
同行者も麺類やご飯ものを頼んで美味しく食べたご様子。
あーでももう一品カオマンガイを頼んどけば良かった。

箸・フォーク・スプーンなどの食器はプラスチック製のものが
各テナントに置いてあり、脇にあるIH鍋で煮沸してから使うとのこと。
所変われば品変わるなあ。マイ箸フォークを使う人もいるようです。
食べ終わった食器はそのまま置いておけば専門の清掃者が片づけてくれますが、
日本のフードコートに慣れてると、どこに持ってけばいいか、
置いていってホントにいいのか、一瞬躊躇してしまいます。


夕食はMBKフードコートにもう一度戻ろうかなーと思ってましたが
色々あって(そこらへんはまた後日)軽めにコンビニ買い食いで済ませて、
翌朝最終日。胃も疲れてきたので
ここらでもう一度、ビュッフェのカオトムを食べたいなーと
朝食会場に行ってみたら、メニューが変わってて豚汁が出てました。
ぎゃふん。
これにてバンコク食べ歩き終了でございます。

当初の予定だったフードコートには行くことができたし
美味しいタイ料理も食べれたしで、初めてにしては概ね及第点でしたが、
欲を言えばもうちょっと何回か食べ歩いても良かったかも。
食べたいメニューを決めたり、美味しいレストランの情報は
もっと貪欲に調べても良かったかな。
的を絞ってMBKセンターやショッピングセンターのフードコートを
攻めまくるのもアリかもしれないと思いました。
あとはフルーツの美味しい暑い季節に行きたいですね。

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04kinai2.JPG
行き帰りの機内食。帰りの方にはデザートにルークチュップが添えられてました。


追記:
出かけるときに皆さんに心配されたお腹の具合ですが、
おかげさまでまったくダイジョブでした。
出かける前から毎日、乳酸菌整腸薬を飲んで胃腸を整え、
現地ではなるべく火の通ったものを食べるように心がけ、
氷や生水を極力避けたのが効いたのか、快適に食べ歩けました。
ただし、同行者の中には帰国後にお腹を壊した人が何人かいたみたいです。


外食編はここまで。
次回はコンビニやスーパーで見つけた食品編をお届けします。

バンコク「そうざい屋台」食べつくし

バンコク「そうざい屋台」食べつくし

  • 作者: 下関 崇子
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2009/02/25
  • メディア: 単行本



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遥かなเมืองไทย(後編) ~泰王国曼谷訪遊記 その1b [特別企画]

前編からの続きです。
今回は旅の後半、三日目から。

【主目的 ~三日目】
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前日の食事で胃もたれしたまま三日目を迎え、この日は終日自由行動。
近所で買い込んだフルーツを食べてからお出かけ。
03mango.JPG
トンロー駅近くマンゴーショップで買ったiPhoneサイズのマンゴー。
80バーツ(約240円)、季節外れのためか甘みが足りず。

バンコクの高級商業地域サイアムを中心に
気の向くままぶらぶらとウィンドーショッピングや買い食い道中を楽しんでました。

観光都市でもあるためか、公共施設の標識などは基本的に
タイ語と英語の並列表記されていて、中心部の主たる移動手段となる
BTS(スカイトレイン:高架鉄道)やMRT(地下鉄)の車内でも
両方でアナウンスされ、迷うことは一切ありませんでした。
03tokun.JPG
MRTのコイン状きっぷ「トークン」

公共交通機関の範囲ならどこまでも行けそうですけど、
タクシーやバイクタクシーは英語かタイ語じゃないと交渉できなさそう。
いま思えばいっぺんくらい乗ってみればよかった。

他によく見かけた言語は中国語と日本語。
特にバンコクの若者にとって日本語の文字は
どうやら北方の異国文化を感じる意匠で、
それなりにクールな印象を持ってる様子。
我々がタイ語の文字をほぼ読めないように
彼らが日本語の漢字ひらがなカタカナを読めてるかは不明ですが、
定番のTシャツ柄だけではなく、
陳列されてる商品などでも日本語を良く見かけました。
入る機会はありませんでしたけど日本料理屋も結構出店してて
日本企業が進出してるのもあれば現地企業が経営してるのも。
038ban.JPG
アソーク駅ターミナル21に出店してた8番ラーメンの看板。
ここまで日本語だといっそ清々しい。

サイアム駅に隣接するサイアムセンターやサイアムパラゴンは
銀座や新宿や四条、梅田に栄に天神などに肩を並ぶほど、
いや豪華さでは上かもしれないイケイケな高級デパートで
上層階にベントレーやマクラーレンなど超高級車のショールームが並んでて
(もちろん実車展示!)口をアングリしながら眺めてました。
03paragon.JPG
サイアムパラゴン

近所には伊勢丹が入るセントラルワールドプラザもあり、
ここいらのデパートを巡ってるだけで日が暮れそうでしたが、
私の相性が良かったのはサイアム駅から歩いて10分、
サイアムの隣駅であるナショナルスタジアム駅に隣接する
MBK(マーブンクロン)センターかな。

怪しげな土産物が並ぶフロア、ちょっとお洒落なファッションフロア、
電気街フロアもあれば、映画館やアニメイトも入ってるオタクギーグなフロアあり、
そして地元民や旅行客が多数訪れる老舗のフードコートが有名で、
渾然一体とした坩堝的な商業ビルでした。
03animate.JPG
MBKセンター7Fのアニメイトバンコク店入り口

30年前に開業した当初はアジア最大のショッピングモールだったらしく
こちらはビル一つで一日遊べそうな勢いのスポット。
03mbk.JPG
MBKセンターの内部。全階層吹き抜け。
ここに限らず大型ショッピングセンターはどこも吹き抜けが特徴的。

映画館ではバンコクでも話題になってるという「君の名は。」も上映されてて、
時間があればずーっとここで遊んでたかったです。
03yourname.jpg
MBKセンターの映画館に掲示されてた「君の名は。」ポスター

「君の名は。」タイ語字幕付き公式予告編

しかし、この日のメインは食べ歩きと平沢ファンなら外せないSP-2ショウ観覧。
これらは語り尽くせぬほど感想が漏れ出てるのでまた改めて。


【帰途 ~最終日】
----------
目が回るくらい刺激的な日々も過ぎ去ってあっという間に最終日。
午前中のフライトなので朝食を摂ったらすぐ空港へ。
職場のバラマキ土産は初日に行ったスーパーであらかた買い込んでたので
空港内の免税店では個人的なものと実家用のをいくつか買い足し
残ったバーツで最後の買い食い。
04flower.JPG
蘭の切り花は日本の空港にある植物検疫所で検疫を受ければ
国内持ち込み可能なので女性向けにオススメ。
約300~1000バーツくらいでした。
IMG_1586.JPG
550バーツ(約1650円)蘭詰め合わせの生け花

追記:2018.12.08
※植物の日本持ち込みについて、
タイ国政府観光庁から重要なお知らせが発表されました。

タイの空港で購入した切り花(蘭など)の日本への持ち込みはできません。 | 【公式】タイ国政府観光庁

農林水産省植物検疫所によると、植物防疫法により、植物を日本へ持ち込むには輸出国政府機関により発行された検査証明書を添付して、輸入検査を受ける必要があると発表されています。(2018年10月より) ...



調べたところ、2018年10月から日本の植物防疫法が厳しくなったみたいですね。
残念。

日本への植物類の持ち込みについて(検査証明書の添付) | ニュース・お知らせ | JITCO - 公益財団法人 国際研修協力機構

JITCO(ジツコ)は、外国人研修生・技能実習生の受入れを支援し、開発途上国の人材育成に寄与します。





帰りの飛行機は数年前に就航したばかりの最新鋭ボーイング787。
ロールスロイスエンブレムがついたエンジンに心躍ります。
04787.JPG
(そのエンジンが結構トラブってると知ったのは帰国後)
機内の設備もハイテクで、窓ガラスが電子カーテンシステム。
これを試せたので窓際に座れて良かった。羽根の上だったけども。
詳細は解説ブログをば。
-----
ボーイング787の窓の秘密とクロミック材料の話
http://orgchemical.seesaa.net/article/440409009.html
-----
行きも帰りの道中もそんなに揺れることなく快適の一言。
アテンダントさんにワイを返すと喜んでくれるのはなんとなく嬉しい。
機内の空気が乾燥気味なのと若干肌寒いのは
セルフディフェンスしたほうが良いですね。

夕暮れ過ぎに関空に降り立ち、特急はるかとのぞみ号で地元まで。
会社の経費だから物申せないけど個人的には
関空ならば南海のラピートに一度は乗りたかったぞい。


【まとめ】
--------
そんなこんなの三泊四日の珍道中でした。
しかしまさか仕事がらみでタイへと渡航できるなんて。
つまりそれは旅費と休暇申請が出張報告書一枚だけってことですよ。
しかも会社の業務だから大手を振って休日を使うことなく旅立てたし。
会社勤めも悪くないかもしんない。

軽口はほどほどにして、
平沢さんがアーティスト人生の分岐を切り替えるほどの影響を受けた
タイ王国をようやく訪れることが叶って、至るところで感じたのは、
90年代後半からの平沢さんは、この国が持つ熱気と活気、
またこの国に暮らすSP-2達とのセッションで作品を紡ぎあげた、という事実を
追体験したかような錯覚を肌で感じられました。
ちょうど90年代初頭の平沢さんがAMIGAとセッションすることで
数々の曲やストーリーを作り出したように。

実際に歩いたのはスクンビット通りやトンロー、サイアムの商業地区、
それにスティサン駅ぐらいの限られた地域でしたが
バンコクの街を肌で体験できた今、SimCity~舟~SIREN~救済の技法、
それに付随するSimCityライナー記載ストーリーや、
コレクティヴエラーズ・SCUBA RECYCLEブックレット・計算上のKunMae、
当時のインタラに当時の会報、そしてなにより書籍“SP-2”と
ダ・ヴィンチ1998年10月号に掲載された平沢進エッセイ
「工業製品『救済の技法』という音楽パッケージの原産地より」が
ようやく五感のリアルを伴って噛み砕けるようになった気がします。
それらに書かれた要素からは遥かに時は過ぎてしまいましたが
まだ随所に欠片のようなエッセンスが漂ってるようにも思います。

その頃の平沢曲に潜むタイ王国へのダジャレ的な情愛も
少しだけ理解できて時々苦笑してました。
matomeseiho.JPG
例えばタイの生命保険会社のビルを見かけたときに英語で
「MUANG THAI LIFE ASSURANCE」と書かれておりまして、
頭の中には即座に“MOON TIME”のサビが流れてきて仕方なかったものです。
遥かな泰王国、流れよ泰王国…。

かつてNIFTYのAMIGAフォーラムで行われた企画
「平沢進さんとアミーガでQ&A」(電子書籍「来なかった近未来」に収録)にて
-----
Q:ストーリーや曲の歌詞をつくるときにAMIGA からヒントを得るようなこともありましたか?
A:たくさんあります。それは同時に、数すくない日本のAMIGA ユーザーに送った暗号のようなものでもあります。あなたがAMIGA に長く接しているなら、私の作品の中に幾つもその暗号を見つけられますね。
-----
上記のとおりに答えられたように、
これをそのままタイと置き換えても通用しそうだと感じました。

まだタイへ未渡航の平沢リスナーも
一度はバンコクを旅してみるのをオススメします。
私は帰国以来、タイへの憧憬が止まらず、
図書館でバンコク本を何冊も借り、タイ料理を食べ続ける日々を過ごしてます。
今回の経験により、タイの距離が心身ともに近くなりました。
数年中にまた訪泰したいのう。

【予告】
---------
このような道中でした。
次回はバンコクで味わった食事について食べて感じたことをご紹介。

Sim City

Sim City

  • アーティスト: 平沢進,Miss.N
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: CD



SIREN

SIREN

  • アーティスト: 平沢進
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2009/03/18
  • メディア: CD



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遥かなเมืองไทย(前編) ~泰王国曼谷訪遊記 その1a [特別企画]

前回の記事でも触れたとおり、先日タイへと行きました。
平沢さんから影響を受けて以来、タイを始めとする東南アジア諸国は大好きで
いずれは行ってみなければ、と思い焦がれてはいましたが
先立つものも休暇もなく、行動の優先順位は下がるばかり。
ところがある日、ひょんなことから夢が叶ってこりゃ大変。
さてさてどうなることとやら、というお話です。

とても刺激的な体験ばかりでしたし、そもそもなんでタイに行ったのかなど
謹んでこちらのブログのネタにいたします。
まずは旅のあらましから。

---------
【発端】
あれはとても暑かった夏のおわり、風も流れぬ灼熱多湿の地下室で、
鶏さんを揚げたり焼いたり袋詰めする生業で糊口をしのいでたところ、
元締めの思し召しで「鶏のふる里」までご一緒しませんかとお誘いされました。
まあ素敵、それはそれは喜んでと、二つ返事でオーケーしたものの、
でも「鶏のふる里」ってどこかしら。きっと掛川花鳥園ね。
『タイですよ』
ほへータイですかーそうなんすねー……タイランド!!??


タイ料理に代表される東南アジアエスニック料理が大好物で
いっときはタイ国技のムエタイを発祥とする
キックボクシング観戦を趣味だったこともあるし、
そしてなにより、敬愛する平沢さんがアーティスト人生の
分岐を切り替えたほどの衝撃を受けたタイ王国。

平沢FC主催の万国点検隊に参加する機会を逸して、
プライベートで旅行するほどのきっかけと勇気と財力と休暇もなく、
地元のタイ料理屋を時折訪れては彼の地に恋い焦がれる程度の
関わりしか持てなかった憧れの国。
そこに業務の一環とはいえ訪問できるというチャンス、
逃すわけには参りません。


参加申請を済ませ、十数年ぶりにパスポートを取得し、
仕事は同僚に放り投げてから関西国際空港へと辿り着いたのは
早い雪が東京に降りた11月23日のことでした。


【出発 ~初日】
----------
タイ国際航空のボーイング747に身体を預けて体感時間で約6時間、
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地球の経度を30°ほど西に周りながら一路南へと運ばれて。
“PREM RATAN DHAN PAYO”なるサルマン・カーン主演の日本未公開ヒンディー映画を楽しみ、

タイ風のものが食べたいと思ってたのに機内食の選択を誤り、
和風の豚丼を選んでしまって納得行かぬまま昼寝して、
01meal.JPG
そんな手続きがあるとは知らずに見よう見まねで入出国カードを書いてたら
気づけばスワンナプーム空港に着陸。

ボーディングブリッジを降りたらスパイシーな香辛料と柑橘系の香りが
早くもどこからか漂ってきて、タイに来たんだなとここで実感。
送迎のマイクロバスに乗せられてバンコク市内のホテルへ直行すれば、
キッチン完備の滞在型のホテルで既に極楽状態ですよ。
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01heya2.JPG

参加者揃って夕食を摂った後は、ホテルのある街中を散歩。
01inu.JPG
路上で寝てた犬。飼い犬っぽい。

事前に目をつけてたスーパーまで一人で買い物に出かけました。
01bigc.JPG
地元スーパー、ビッグC。国王の追悼は続く。

地図の縮尺を見誤って片道30分ほどかかり、帰り道はタクシーも考えるも
果たしてどうやってホテルまでの道のりを伝えればいいのか、
そもそもボラれたらどうするのか見当がつかず、思考がぐるぐるしたまま結局徒歩。

プミポン国王の服喪期間も関係しているのか不明ですが、
その後、どこのスーパーやデパートに行っても
国王が作曲したジャズナンバー“Falling Rain”が流れてたのが印象的でした。


P-MODELが1997年にバンコクで演奏したFalling Rainはこちら。
http://8760.chaosunion.com/modules/ooparts/index.php?fct=photo&p=37

01banana.JPG
道端の果物屋で買ったモンキーバナナ。
同行者と半分シェアしてから撮影。20バーツ(約60円)。


【業務 ~二日目】
----------
二日目はバンコクから車で二時間ほどの郊外にある「鶏のふる里」へ。

ガイドブックに載ってるような市街地や観光地は
ツアーや何かで訪れようと思えば行けるものですが、
「鶏のふる里」みたいな、地元の人や業者の人しか用事がなさそうな
郊外の風景に触れられたのは、今回の旅の最も大きい収穫だったのかも。

バンコク市街地を抜けると途端に広がる牧歌的な田園農村地帯。
収穫も終わった時期なのか、休耕田と化した土地には
日本にもいそうな鷺や鴫などの水鳥も見かけて、
鳥たちが最も自由に地球を旅してるのかな、などと感傷的にもなりました。
道路と田んぼの境にあるような何でもない窪地の沼にも
よく見ると蓮や睡蓮が根付いてるし、時には花を咲かせていて
さすがロータスの国と感心することしきり。
02drivein.JPG
帰りがけに寄ったドライブイン。スコール間近。
02neko.JPG
そこの猫。

「鶏のふる里」でははるばる日本から来た我々をとても歓待してくださいました。
コープクンクラップ。
この日は昼夜とも懇親会みたいなもので
どちらも美味しいタイ料理が振る舞われてとても満足。
食べ慣れない人が手を付けなかった分が回ってきてさらに満足。
腹が膨れて破裂するカエルのようになった頃に宴会終了で解散。

02gairoju.JPG
街路樹に巻き付く植物、どことなく日本で観葉植物になってそう。

02hana.JPG
植え込みに咲く花も可憐。さすが花の国。

長くなってきました。
次の記事へと続きます。

はじめての海外旅行まるごと安心ブック

はじめての海外旅行まるごと安心ブック

  • 作者: ワイワイネット
  • 出版社/メーカー: メイツ出版
  • 発売日: 2015/03/20
  • メディア: 単行本



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2005~2010お蔵出しP-MODEL平沢日記 その2 [特別企画]

本日も某所に書いてた日記のお蔵出しです。
今回は2007年から2010年まで。それでは引き続きお楽しみ下さい。

====================
<<2007年03月05日>>
PHONON 2550 観覧日記

新幹線500系で東京着。
錦糸町のタイ料理屋に寄ってから中野に移動し、
中野ブロードウェイ3階“ショップメカノ”を参拝。
…ではなくて、今回は行商。
ちょっと前の日記に書いてた段ボール一箱分の箱詰めP-MODEL音盤資料の
引き取り入り先はこちらでした。

こちらの店主は日本テクノポップ業界のご意見番、
音楽ライターとしても名を馳せる中野泰博氏。
ディスクユニオン渋谷2号店、スパイスレコード、
ショップメカノと、中野店長のお店には十数年来、
一人の客としてお世話になりっぱなしです。

今回は思い切って、うちにあった過剰在庫を買い取って頂きました。
あの、その、うまくいえないんだけど、ただただお世話になりました。
平沢進/P-MODEL関連アイテムは、
売るのも買うのも、お近くのショップメカノまでどうぞ(笑)

今回、初めて中野店長とまともにお話しできました。
ヨメはかつてバリ島で、店長を晴れやかに蹴飛ばした過去があり、
それもあわせてお詫びして(笑)。
色々お話ししてると、次々とお客様がご来店して
あっという間に大入り満員。2デイズの時はみんな聖地巡礼ですな。

自分が放出したのかな? とおぼしき商品も含めて
次から次へと若いファンが買ってく姿を見てると、こちらも嬉しくなります。
ライブ直前の良いタイミングでメカノにお任せできて良かった。

「ライブの時はファンの人達が『何か無いか?』と期待して
 来店するから、その思いには答えなくちゃ、と ついつい思っちゃう」
って、サービス精神満点に考えてくれるお店はステキだ。
中古価格も痒いところに手の届く絶妙の設定で、
買取や販売の値付けするの、大変であり楽しい作業なんだろうなー。

さて、HPにもある通り、大量処分の場合は
「店長秘蔵の音源をCDR化してプレゼント」という
キャンペーンも実施中されてまして、
実は今、日記を書きながら特典を横で拝見してますが(今回はDVDでした)
夫婦で脳みそ溶ろけ出そう。ひいぃぃぃぃぃ。
サービス過剰っす。店長。ありがとうございますー。
またの放出機会にもよろしくお願い申し上げます。


メカノを辞して、新宿経由で恵比寿に移動。
リキッドのレストスペース最深部でしばしくつろぐと
知り合いがぞろぞろ。ライブの醍醐味ってこういうのだと思います。

入場して客入り音楽も流れ終わり、波の音が来た時は
「満願成就!」と心でガッツポーズ。
これが聞けただけで今日の目的は果たしましたよ、フローズンビーチ。
オリジナルのアレンジで最後に聞いたのは、1993年のI3DAYS'平沢ソロかな。
初めて行った平沢ライブ以来です。ああ、19才のあの冬の日を思い出す。
フローズンの次に演奏されたAURORAも、初披露はそのライブでした。

その後は新旧楽曲入り乱れての平沢ショー。
時にはタルボをいじめ倒し、時には自家発電楽器である
グラヴィトンをチャージしながら演奏を決めて、
ライブは進行してゆきます。
死のない男が当時のライブアレンジのままで懐かしかった。
かつてはこのアレンジをバンドで演ってたんだよね。しみじみ。

中盤、しんみりとした曲を集めて、終盤はアッパーな流れ。
パレード→山頂晴れて→sign→T-0 P-5→賢者。
signがレパートリーに入ってたのにはビックリ。
アレを生で歌うかー!! 2番の歌い出し間違えたけどすげえ!

賢者のプロペラ3で締めてアンコール。
やっぱり楽日の最後はコレでしょっ!ていう
期待を裏切らぬ選択はハルディン・ホテル。
アンコールと言えばハルディン大合唱っていう
懐かしいお約束が、しっかり守られてて嬉しい。
思えば初日の最終曲がQUITっていうのも
あの頃の決まり事でしたね。インタラ以前の約束事。

アンコールにも帰らない客に、パソコン片手に
一発ギャグをかましつつ「またノンタラやる」と
新たな約束をしてくれて、平沢さんは帰っていきました。
昔に比べてMCは減ったけど、近年の中では口数が多いMCに
心の底からお疲れ様、と最敬礼。

帰りは品川から700系のぞみに乗りました。
今の仕事に就いてから、どうしても日帰りばかりで残念。
次の機会はせめてゆっくり皆さんと打ち上げ行きたいです。
その時は遊んでくださいー。逢えた皆さんに多謝。

追伸。
なんだか今回のライブ前後は、前回までに比べて、
ひとつ違う状態に置かれて、有り難さと戸惑いを感じてました。
つまり、うちのサイトの影響力の拡がりに対してなんですが。
昔は「Miss.Jのジフさん」だったのに、気づけば「博物苑の苑長」。
今回の滞在期間では、今までになく博物苑について
皆さんの口からお聞きしました。

自分自身の中身は初めて平沢ライブに行った、
19才のあの頃と何一つ変わっちゃいないのに、
「名刺」の力は巨大だなぁ…と痛切に感じました。
いつの間にかそんなに育っていって愛されてたんですね。うちのサイトは。
放っておくと増長して図に乗る性格なので、戒めていかねば。
声をかけてくださった皆さんありがとう。
今後も続けていく力をいただきました。


【2013解説】
こんなライブレポを書いてたなんて忘れてた。
苑につきましては、変わらぬご愛顧、誠にありがとうございます。
そこらへんにいるただのおっさんですので
ライブなどでお見かけの際には遊んで下さい。

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2007年08月21日

妙に忙しかった8月仕事もようやく一段落して
ひさしぶりにまったりした休みです。
「たまってる映像をそろそろDVDに落とそっか」と
昼前から作業をはじめました。

汗だくでLDプレーヤーを引っ張り出して
わざわざS端子ケーブルを買ってきて
P-のBITMAPをパソコンに取り込んだところまでは
そこそこ順調でした。
チャプタを打ち始めるまでは。

やっぱり、元々チャプタの付いてるのは
頭出ししたいじゃないですか。
でもチャプタ打ちを始めてかれこれ2時間過ぎました。
50分少々のLDなのに。

せっかくの休日なのに、なんでコマ送りで
平沢さんの顔ばかり見なくちゃいけないんでしょうか。
もう、次のヤツからはチャプタ入れません。
足下のLDプレーヤーも、邪魔で邪魔で仕方ないです。


【2013解説】
この頃ぐらいから手持ちの映像のデジタル化を手がけはじめた様子。
再生機器もソースのアナログ媒体も、
再生するのにずいぶん難儀する時代になってきました。
うちはだいたい映像はデジタルに落としたので、次は紙媒体の資料かなあ…。

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2007年09月18日
世界細胞との交信録

「キミたちの介入によって全ては台無しだ」

いにしえのデジタルアーカイブをあれこれ掘り出してチェックしてたら
WORLD CELLのスクリーンセーバーを発掘。なつかしー。

ところでこのスクリーンセーバーはWin版とMac版の両方があって、
何の気無しに中身を覗いてみたら(比喩)
内部テキスト(ヒラサワとウィワットの交信)が素のまま置かれてました。
こんなの手に入れて、どうすりゃいいんだ。

和訳は昔の会報(5号だっけか)に掲載されてたけど
原文はあまりにも激レア。
なにせ相手がスクリーンセーバーだからプリントスクリーンも効かないし
流れるテキストの書き出しは非常に骨の折れる作業。
ちゃんとひとまとめになった形では公開されてないはずだし
私も一度たりとも目にしたことがない。
和訳は公開されてるから、そもそもの需要も無い(笑)。

この交信録と同号掲載のゴーストノートから
救済の技法 ~ 賢者のプロペラへとストーリーが流れていく
ミッシングリンク的存在。
残念ながら他に発表する場所もないのでここに貼り付けます。
当時の会報を持ってない方は適当に訳してください。


【2013解説】
このあと、元の日記にはそのまま英文テキストをベタ張りしてましたが
さすがにここにそのまま載せるのはナンですので割愛します。

改訂DIGITAL復刻版の音廃本にも収録されてるので
興味のある方は試してみて下さい。
Worldcellフォルダ内のMac版フォルダにある
拡張子なしのWorldcellというファイルを
テキストエディタ(Windowsだとメモ帳)で開くと中が見れます。

====================
2010年04月02日
うそいうよくない

はい。
昨日はエイプリルフールでした。

内輪受けかつ手前味噌で恐縮ですが、
平沢進リスナーにはぼちぼち需要がある
うちのサイトでもたまにはなんかエイプリルフールネタをやろうかしらん、と
思い立って、あーでもないこーでもないと、嘘ネタを考えてたのであります。
この数年。

で、大したことも思いつかず毎年過ぎ去ってましたが、
「うちのサイトを『けいおん!』風にしたらバカバカしくてバカなんじゃないの?」と
思いついて、そのまま落胆しました。
なぜならそれが去年の4月3日ぐらい。
どーせならその一週間前ぐらいに頭が働けばタイムリーだったのに。


そいで、そのまま何事もなく夏が来て秋が来て。
けいおん!人気も一過性のもんだろう、とタカを括ってたら
なんだかんだで2009年で1、2を争うヒットアニメになっちゃってて
遂には平沢さん本人も「平沢唯じゃない」とかなんとか言い出す始末。
そんなこと言わなくてもこっちはお盆ぐらいから
嘘ページを作るための素材やフォントの準備を始めてたのに。

そしたら、去年の年末には「第二期放映決定!」のニュースが流れるは
第二期は4月から開始!とか決まるはで、
話題が沸騰してくるのと正比例でひとり頭を抱えてました。
このまま何もせずに今年も平々凡々と暮らしていこうかと思ってましたが
試しにトップページを作ってみたら案外可愛い。
はっきりいってバカ丸出し。

「四月バカ」って人を騙す騙さないのバカじゃなくて
この冬の寒い時期になんの役にも立たないことを
わざわざ仕込んでる人間がバカだ、って意味だと
ようやく分かりました。

そのノリのまま、手を抜きまくってでっちあげて公開。
ついでに2chの関係各所に自作自演で種を二粒ほど蒔いて寝かせること一日。

普段50人もくれば上々のサイトに、5000人ぐらいお邪魔してやがりました。

いくらなんでもそのアクセス数は間違ってるだろうと、解析ログをみたら
リンク先のトップにGIG○ZINE.NETの文字が。
なんだか3000人ぐらい運んできてくれてますよ。
調べてみたら「エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2010年版」で
紹介されてました。えー。
ttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100401_matome_april_fool/

しかもこんなキャプションで。
> 2010/04/01 21:00
> ■ひらさわゆいはくぶつえん
> 平沢進さんの個人サイトがすべてけいおん!風に。

ちょっと!!あんたが一番騙されてるよ!!<GIGA○INE

追伸:
エイプリルフールの所為かサイトのアクセスログが
いまだに恐ろしい勢いでペタペタ伸びてます。
怖いので、枕かぶって布団に潜ってやり過ごします。


【2013解説】
もう、絶っ対やりませんw
「ひらさわゆいはくぶつえん」で検索して来られる方
まだまだ時々いらっしゃるんですよー、ありがたいことです。

その後、二期・映画ともにしっかりと楽しませていただきました。
この1月からけいおんのメインスタッフがほぼそのまま結集してる
新番組「たまこまーけっと」がはじまりますね。
そちらもおもち頬張りながら楽しみに待ってます。

TVアニメーション「たまこまーけっと」オープニングテーマ ドラマチックマーケットライド

TVアニメーション「たまこまーけっと」オープニングテーマ ドラマチックマーケットライド

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: CD



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2005~2010お蔵出しP-MODEL平沢日記 その1 [特別企画]

新年あけましておめでとうございます。
今年も博物苑と併設ブログであるこちらをご愛顧いただきますよう
どうぞよろしくお願い申しあげます。

さて、2013新春企画。
今回は私がこのブログの外で書いてた某所の日記から
P-MODEL・平沢進関連のエントリーを選り抜いて再掲載したいと思います。

どれもこれも数年以上前のものですけども、
程よく発酵熟成して皆様のお口に合うものになってれば良いのですが。
それではどうぞ。

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<<2005年06月10日>>

「ショップ メカノ」間もなくオープン。
仕入れ状況などを見聞きしてると
オープンする日が待ち遠しくなっちゃいます。
楽しみだ。オープンしたら一度行きたい。

私のメカ野店長思い出話。
1993年解凍P-MODEL真っ只中の当時、Pを聴き始めたばかりで、
アルバムはまだ解凍アルバムとポプリぐらいしか持ってなかった私は
地元名古屋の中古屋でP-MODELの「不許可曲集」と書かれた
黄色いカセットを入手しました。
しかし、あの頃の自分が知ってた文献(ピコ・KBS P特集号)には
そんな音源について全く触れられておらず。
当時あった私設ファンクラブに手紙を出しても、
先方も詳しくは御存知なくて。

……迷った挙げ句、ピコに載ってた番号を頼りに
ディスクユニオン渋谷2号店へ問い合わせ電話をしちゃいました。
お忙しい営業時間中にも関わらず、お店に置いてある商品でもなく
ましてや客でもないのに、中野店長に丁寧に解説していただきまして
それは感動したものです。十数年経ったいまでも感謝であります。
浮かれたあまり、不躾にも買い取り価格と店頭価格まで
聞いちゃったのはご容赦くださいm(_ _)m。


【2013解説】
その問い合わせ電話から20年過ぎました。
それぞれの顧客の要望に対して親身になってナビゲートしてくれるスタンスは
現在のショップメカノにて、よりフレンドリーな接客として
立ち寄るお客様に愛されてるのは皆さんも御存知かと思われます。
かけがえのないお店ですよね。
今年はメカノ8周年、これからも商売繁盛を願います。

====================
<<2006年05月06日>>
“LIVE白虎野”に感ずるインタラクティブライブ

今回のインタラは、前回(LIMBO)・前々回(賢者)のものよりも
難易度が下がったものだったと参加して感じました。

前回・前々回は在宅オーディエンスが達成条件を満たして
かつ、会場が正しい分岐選択・観客連携などの諸条件を
すべて解決しなければグッドエンドには到達できませんでした。
しかし今回は、基本的には会場の分岐選択がメインで事が進み
在宅オーディエンスは「会場の選択を正しく遂行する」補助的存在でした。

極端な話、前回のLIMBOは偶然だけでは決してグッドを見れないし
グッドエンドに辿り着くには会場・在宅が一丸となり
攻略方法に知恵を絞り、協力し合う必要がありました。
しかし今回は選択の妙と
在宅オーディエンスのさじ加減でグッドを目指せます。
実際に東京初日グッドエンドは偶然の選択でした。
それらを善し悪しで語るものでは無いと思います。

インタラクティブライブ制作委員会は
前回までのシステム方針とは違う形の
ライト感覚なインタラクティブライブマイナーチェンジを
模索している、と私は受け取りました。
次回インタラクティブライブはこの方向性で、
もっと洗練された形で垣根が低くなった
新世代インタラライブシステムに進化すると思います。
楽しみだ。我々も進化しながら楽しむよー。


【2013解説】
……白虎野の次の点呼インタラ、
終了後に公開されたシステム図を見て目が点になりました。
そんなのを初日には解析し終えてる解析班。すげーや。

いよいよ今月の終わりにはノモノスとイミュームですね。
今回も楽しみだ。

====================
<<2006年08月19日>>

突如、メカ野店長の日記で平沢進FCの海外旅行ツアー、
1997年万国点検隊「非局所性緑色免疫団」の
レポートがスタートしました。
私は当時、転職したばかりで参加できませんでしたが
このときの点検隊へ参加された方々が
私の友達の中にも幾人かいらっしゃいます。


1994年から2000年頃まで数回開催された万国点検隊。
平沢進ソロアルバム作品→インタラクティブライブと
連動したパック旅行ツアーとして開催されるのが常でしたが、
この97年版は唯一、平沢進がリーダーを勤めるバンドP-MODELの
新作キャンペーンの一環として行われました。
(先行シングル収録のインターネットイベント→点検隊→
 アルバムのインターネットイベント→全国ライブツアー…と続く
 約8ヶ月に及ぶ大がかりなキャンペーンでした。)

そのためかどうか分かりませんが、
通常の点検隊とは趣が異なりドタバタしたツアーだったと
当時のレポートから感じた印象があります。
参加者や主催者(P-MODEL)からのリアルタイムレポートが
パソコン通信ネット上に投稿更新されるたびに
ゲラゲラ笑ってたのを思い出します。


いまや数少なくなってしまった、当時のキャンペーンにまつわる
現存するレポートを読み返してみると、今でも楽しくて懐かしいです。
リアルタイムに経験した記憶と連動してるから
楽しさが増幅されてる部分があるのも確かですけどね。
それを差し引いても、まだ未開拓地も多かったインターネットと
リアル日本全国を走り回った電子悲劇ツアー8ヶ月の記憶は
人生最良の思い出のひとつです。


あれ? なんだか話がずれたぞ。
今日、言いたかった本題はそんな感傷混じりの思い出じゃない。

この時の点検隊で、メカ野店長が襲撃されたという事件が起こりました。
しかもP-MODELメンバーの目前で襲われるというオマケ付き(笑)。
まだ店長の日記では、そこまで話が進んでませんし
今回の日記でその話題に触れられるかどうかは分かりませんが、
もしも、その話題が出たときは、一言お詫びしに行こうと思います。
関係者として(笑)。


【2013解説】
日記はここで終了してますが、襲撃事件とはいったいなんだったのか。

ある日の夜の自由時間、任意の参加者の宿泊ルームに
メカ野店長扮する蜘蛛男(BIT-MEMON)がアポ無し訪問して
驚いた参加者をポラロイド撮影して、翌朝のロビーにそのポラが
「この者たちはENOLA感染者である」と掲示された……とのことでした
(事実誤認してたらごめんなさい)

その写真を撮り歩いてたBIT-MEMON。
ある部屋をノックして応対に出たうちの家人が
驚いて仰け反るところを撮影して逃亡しミッション完了……のはずが
反撃に応じた家人、怪しい来訪者めがけて良い感じに蹴りあげたそうです。
慌てて逃げるBIT-MEMON、逃げた先からいくつかの笑い声と歓声。

…そこには一部始終を見て笑い転げてたP-MODELご一行がいたそうなw

最終日の会食で店長にお詫びしたら
「それが海外旅行の正しい判断です」と褒められたそうで。
後日、メカノにおじゃました時にそのときの話題をしたら
店長も鮮明に覚えてらっしゃいました。

その後、万国点検隊は2008年にP-0として復活をしましたね。
また機会があれば開催していただきたいイベントです。

====================

今日はここまで。
ほんとは元日から3日連続で書くつもりでしたが
準備が間に合わないませんでした。
明日もありますのでよろしければ
残り少ない正月休みの時間つぶし、お付き合い下さい。

バリ島ウブド 楽園の散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

バリ島ウブド 楽園の散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/02/28
  • メディア: 単行本



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P-MODEL MEMBERS RARE DISCS(5)<おまけ編> [特別企画]

P-MODELに縁あるミュージシャンの、今ではちょいと珍しい音盤を紹介する新春企画。
最終回の本日は、総集編というよりもオマケという感じで、
これまで取り上げなかったメンバーや、紹介したメンバーの補足、
さらにP-MODEL在籍経験はなくとも周辺のミュージシャンをアラカルトで紹介します。

それでは、前回までに取り上げなかったメンバーを
私の守備範囲の中で、知ったかぶりしながらご紹介。

【ことぶき光】
一度聞いてみたいと願ってるのが、札幌時代のバンド“みかんむくっ”。
詳細は音廃本のことぶきインタビュー以上には知りませんが、
こちらのサイトにソノシートの写真が残ってます。
(ガラスレコードソノシート文庫 第1集・第2集)
http://www6.kiwi-us.com/~cutbaba/agata.htm

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2018.07 追記:
みかんむくっ ちんダン


祝・CD化!

永遠製菓アワー/菫未来派少年展覧会

永遠製菓アワー/菫未来派少年展覧会

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SUPER FUJI DISCS
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: CD


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【高橋芳一】
先日、初アルバムを発表した高橋。
P-MODEL加入前に“ROOM”というバンドでソノシートを残してます。
それとすっかり失念してましたが、2000年代に学芸大学Trayで
UTS展を開催した際に、会場限定CD-Rを販売してたそうです。
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2018.07 追記:
中野テルヲソロライブ サポート 高橋芳一・中井敏文

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次に、前回までの紹介メンバーの補足。
【中野テルヲ・福間創】
ご存じの方も多い作品ですが、メンツ的にもこれに触れないわけにはいかない。
1998年に発売されたKRAFTWERKトリビュートアルバム
“MUSIQUE NON STOP - A TRIBUTE OF KRAFTWERK”。

ミュージック・ノン・ストップ~ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク

ミュージック・ノン・ストップ~ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/09/23
  • メディア: CD

中野が「COMPUTER LOVE」、福間が「MUSIQUE NON STOP」で参加。
コンピュータラブは中野のレパートリーとなってますね。
本盤は巻上公一プロデュースで、参加メンバーも
ヒカシュー/バッファロー・ドーター/松前公高/
ヲノサトル featuring 明和電機/井上誠/山下康/石野卓球……と、やたら豪華です。

【三浦俊一】
本編で、「サポートや若手ミュージシャンのプロデュースが多い」と書きましたが
その中でも、若手バンドに正式メンバーとして加入して、作品にも残ったケースが、
私が知る限りただ一度あります。
現在も東京を中心に活動を続けるニューウェイブバンド“ヤング100V”です。
(元シンセサイザーズ:杉山圭一のライフワーク的バンドでもあります)

young.jpg
三浦は2000年にギターとして加入して約一年間在籍。
その間に「100V夫人」「恋の惑星直列」の二枚のCDとライブビデオを残しました。
提供曲は形として残ってませんが、
スペース・ショッピングセンターの「僕ら、トキをもらった」が
歌詞を変更して演奏されてました。
guitarmiura.jpg
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2018.07 追記:
ヤング100V(三浦俊一在籍時) ハワイアンのインディアン

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【中野テルヲ】
中野編を掲載後にいただいた情報です。(情報提供:たつろー氏)
V_m.jpg
モノグラムのCD「HARMS HARMONY」に収録された「LOOP」という曲にも
中野の演奏が入ってるとのことでした。
ただしこれは少々複雑で、1987年に中野が演奏したベースのトラックを流用して
新たな曲に仕立て直したというお話し。
中野在籍時に制作されたのは先の「Graphite」だけの様子です。


それでは最後。
P-MODEL周辺のミュージシャンをご紹介。

【秋元きつね】
P-MODEL凍結前はスタッフとして、またその後の平沢ソロでは
初期バックバンドのメンバーとしてステージに上がった秋元一秀。
現在はCGアーティスト「秋元きつね」として活躍されてます。

平沢から独立した後も音楽活動は続けていて、
90年代初頭から音楽と映像の融合したライブを展開。
バンドの方も、ProtoAir/Hz(ヘルツ)/バカ/GiraPhant、と発展します。
紹介するのはHz時代の1995年に発表された「Hz Frequency-3.5 Spiral Link」。
spiral.jpg
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Imparagraph
うさぎにわクリーン

Grid on B
StressMAMA
呼び鈴
Mangroove!
SpiralLink
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ご覧のとおり、2006年と2010年に発表されたソロ名義CD
「セケンのヨウス」「ミンナのヨウス」に再録された曲も多いです。
khz001-400.jpg
khz002-400.jpg
本人の解説では
> 歌以外、自宅録音で音源はAKAI サンプラー、
> RolandSC88とAlesisD4のみ
> かなりしょぼいこと間違いなし!ご一聴あれ!
…と、ありますが、アレンジの基本ラインはほぼ変わらず。
当時の音も既に高い完成度です。

音は平沢直系!…と言うと怒られるかも知れませんが
ここはP-MODELブログですので、なにとぞご容赦を。
何重にもひねられたリズムにメロディと、歌心溢れた太いボーカル。
それに上物を飾るサンプリングが賑やかす、派手な楽曲が特徴。
歌詞曲の世界観も平沢のそれに通じるものがあるので、
90年代初期の平沢ソロが好きな方には、
近作の「セケンのヨウス」「ホントホント」「ミンナのヨウス」をお薦め。
是非ご一聴を。

本業が多忙のようすで、近年はライブも数年に一度のペースですが
また折を見てライブ活動やCD発表をしてくださると嬉しい限り。
まだまだ眠ってる名曲も多いですしね。
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2018.07 追記:









Hzの写真入り動画(この音源なんだろう…)




秋元氏は2014年秋に逝去されました。
故人の功績を偲び、謹んで動画リンクを貼付させていただきます。
CDやグッズなどは2018年追記の現在も、Shop Mecanoにて購入可能ですので、
詳しくは下記リンクなどをご参照下さい。

秋元きつねさん作品リスト
https://blogs.yahoo.co.jp/adoopt_s/65063350.html

秋元きつね 二種 再発 発売中
https://blogs.yahoo.co.jp/adoopt_s/66107127.html
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【monogramme】
モノグラムと中井敏文については中野編で解説済みなので音盤紹介。

return

return

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: seal-s floor
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD


send

send

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: seal-s floor
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD


1991年~1996年レコーディング曲と、2007年に制作された新曲を、
それぞれまとめたモノグラム最新アルバム。
returnはモノグラムのバンドサウンド集大成と言った趣きの作品集で
対してsendの方はエレクトロユニットとしての方向性を高めた、対照的な作品。
コブシの効いたクセある中井ボーカルが麻薬的快感を生み出します。歌モノ大好き。
歌詞カードがついてませんが、これはアルバムに書かれたURLに繋ぐと
特設サイトで歌詞やライナーノーツが公開されていたため。(現在公開停止)

ところで今回、色々な資料をひもといてたら「ナゴムの話」という本のインタビューで、
モノグラムがナゴムレコードコンピレーションアルバムに参加したくだりがあり、その中に

> 最初は小西健司さんに(中略)レコーディングをお願いしたの。
> でも当時の小西さんて、何でもかんでもディストーションかけて音を歪ませるような人で
> 『てみやげ(コンピ収録曲)』がバシバシに歪まされて。パンクみたいになっちゃって。
> で、『これでええやろ、中井』とか言われて、『あ、ありがとうございました!』って
> とりあえず受け取ったけど。でもこれはマズイかなと思って、
> 申し訳ないけど結局ボツにして、また録り直した。

…今でもお持ちでしたら是非とも公開してください。お待ちしてます。
----------
2018.07 追記:
件の小西MIXてみやげ、その後のモノグラムライブにて配布された、とのことです。

nakaitoshifumi 1stアルバム “monogrammed” 2018年発売。
通販は公式サイト、もしくはTESLAKITEショップより。
http://nakaitoshifumi.jp/
http://shop.teslakite.com/index.php?main_page=product_info&cPath=1_37&products_id=215

nakaitoshifumi 「voices」


nakaitoshifumi「sync」


monogramme_live_2011

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【The Bach Revolution】
最後を締めくくるのは平沢進のシンセの師匠、
神尾明朗(現姓:有島)が参加したバッハ・リヴォリューションです。
バッハについては「電子音楽inジャパン」に、
神尾と平沢の出逢いについては書籍「音楽産業廃棄物」の
神尾・平沢のそれぞれのインタビューに、
平沢が語る思い出についてはMANDRAKE「unreleased materials」ライナーである
「錯乱の扉」に詳しくまとめられてますので、ここでは音盤紹介。


我が心いまだ安らかならず

我が心いまだ安らかならず

  • アーティスト: バッハ・リヴォリューション
  • 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
  • 発売日: 2001/01/24
  • メディア: CD


1stアルバム「我が心いまだ安らかならず」は
パリの現代音楽祭ISCMに入賞した「我が心~」を発売するために
「音響詩『大地震』」「汝れが魂、悪夢より目醒めよ」の2曲を作り足したもの。
日本プログレの括りで語られることもありますが、
現代音楽と言ったほうがしっくりくる作品です。


NO WARNING

NO WARNING

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
  • 発売日: 2001/01/24
  • メディア: CD


それに対して2nd「No Warning」はポップな要素あり、アンビエントな要素あり。
このアルバムを聞くと、小西の回に紹介した「DADA」に似通ったものを感じます。
こちらのアルバムには平沢・田中が参加。ジャケットデザインは平沢裕一。

もう一枚、これらのアルバムの間にバッハが音楽担当した
丹波哲郎監督映画「幻想物語 砂の小舟」のサウンドトラックが存在し、
これを実質的な2ndアルバムと見る向きもあります。
http://www.kaimonokun.com/ShowDtl.php?user_id=151&SYOHINNO=7570=0

他にもシンセお仕事アルバムが数多くありますが割愛。
マンドレイク参加の「シンセサイザースタディ」は有名ですね。
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2018.07 追記:
バッハ・リヴォリューションライブ サポート 平沢進・田中靖美

シンセサイザーランド Live(1978/10/18) 第3部

シンセサイザーランド Live(1978/10/18) 第3部 シンセサイザーランド(司会/内海賢二氏)のライブ(1978年10月18日)より 第3部のバッハ・レボリューシ...



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以上、新春特別企画でした。
「P-MODELに縁あるミュージシャンはこんな音楽も残してるんだ」と興味をもつきっかけや
「こりゃなつかしい!」と振り返るきっかけになってくれれば嬉しく思います。
正月も終わりましたし、次は渋谷AXで皆様とお会いできますのを願いながら、
今回はこれにてお開き。おつかれさまでした。

コメント(3) 

P-MODEL MEMBERS RARE DISCS(4)<小西健司 編> [特別企画]

P-MODELに縁あるミュージシャンの、今ではちょいと珍しい音盤を紹介する新春企画。
本日は第4回、小西健司を取り上げます。


80年代からP-MODELとの付き合いがあり、90年代中期にはP-MODELに加入して
旧来のファンに驚きを与えた電脳関西の鉄人。
2000年のP-MODEL活動停止後はインターネットを拠点とする縁側.jpを主宰。
2006年には横川理彦・成田忍らとともに4-Dを再開させ、現在まで活動継続中。

小西と言えば、何はなくとも“4-D”ですが、
4-Dが80年代にリリースしたソノシートやアナログ12インチ盤は、
2006年に「Die Rekonstruktion」というアンソロジーアルバムに
まとめられており、これ一枚でほぼ把握できます。
Die Rekonstruktion

Die Rekonstruktion

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ブリッジ
  • 発売日: 2006/04/30
  • メディア: CD


90年代の主だった4-D作品は「ANALYZE」ぐらいですが、
T.K.M.・Iron Beat Manifestoでの諸活動を行い、
一時期はP-MODEL・平沢ソロの日比谷野音ライブイベントである
ERRORシリーズにも、たびたび出演してました。

他にも平沢との絡みでは、80~90年代の往復書簡ユニット“不幸のプロジェクト”や
“CLUSTER”のレデリウス達とインターネットを介して製作した“Global Trotters”が有名ですね。
不幸はいかが?

不幸はいかが?

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ディウレコード
  • 発売日: 1996/10/05
  • メディア: CD


Drive

Drive

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: biosphere records
  • 発売日: 1999/03/25
  • メディア: CD


2000年代の活動は4-D mode1 OFFICIAL WEB SITE(http://4dmode1.jp/)へ。


上記のように4-Dの音盤は現在でも比較的触れやすいので、本日紹介するのはそれ以前。
マンドレイクの平沢達がP-MODELに移行し、やがてポプリへと変貌する時期に
小西が活動の拠点にしていたプログレユニット“DADA”です。


DADAは1977年暮れに“飢餓同盟”にいた小西と
“カリスマ”というバンドを率いていた泉陸奥彦で結成されました。
翌1978年に1stアルバム「浄」を発表。
その後キングレコードと契約して「DADA」でメジャーデビューするも
第二作を発売することなく解散。
その後、小西は成田・横川らと4-Dを結成。
泉はギタリストとしての活動の後、85年に“KENNEDY”結成。
その後は“After Dinner”などを経て、某ゲーム会社でサウンドディレクターを勤めてるとのこと。


活動時に発表したアルバムは2枚ですが、そのうち「浄」はかなり入手困難。
----------
2018.07 追記:
DADA 浄(フルアルバム!)

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代わりに1994年に発掘リリースされた「城壁」というアンソロジーアルバムがあります。
cw.jpg

「城壁」音源の収録時期は「浄」と「DADA」の間に作られたデモテープが中心で、
内容はと言えば、非常に真っ当なシンセ・プログレッシブロック。
全10曲ですが小西の曲は「巡礼」のみで、曲タイトルから受けるイメージからなのか、
とても異国情緒の強い作品集です。以下、収録曲目。
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文明
大地のテーマ(パート1)
巡礼
イーライ・サイライ
大地のテーマ(パート2)
プレリュード
アルルの太陽
飛行船(パート1)
飛行船(パート2)
城壁
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2018.07 追記:
その後、2013年に同じジャケットとタイトルの“城壁”というアルバムが出ましたが
内容は別物となってます。経緯はAmazonの該当ページに詳しいのでご覧ください。

城壁 スペシャル・ライヴ(紙ジャケット仕様)

城壁 スペシャル・ライヴ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: マーキー・インコーポレイティド
  • 発売日: 2013/09/25
  • メディア: CD


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対して「DADA」の方は、同じシンセサウンドながらも
一曲目の「PERPETUAL MOTION」からシーケンサを押しに出してるアルバムです。
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ところどころでプログレ色の強い曲を挟みますが、
小西曲「ジロ君のお誕生日会」はアルバム中、最もテクノポップしてる一曲。
(余談ながら、この曲が10年以上前、WO●OWのジングルで
使われてるのを聞いたときはあまりのことに腰を抜かしました)
最後は本寸法のプログレ曲「アルルの太陽」で締め。こちらも収録曲目。
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PERPETUAL MOTION
ステンレス・ママ
アメリカ
飛行船(パート3)
A.T.B.
ジロ君のお誕生日会
アルルの太陽
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この2枚のアルバムを聴き比べて感じるのは
セックス・ピストルズに端を発したパンクムーブメントというのは
さまざまなロック音楽に影響を与えたんだな、という印象でした。
同時期に活動していたバッハ・リヴォリューションが、
プログレ~現代音楽色強い1st「我が心いまだ安らかならず」と、
パンク~テクノポップ色な2nd「NO WARNING」でまったく印象が違うように、
1978~79年を中心に、その前後で活動してた
数多くのバンドがその年を境にして変貌している。

同じように、1980~81年のテクノポップブーム~終焉の頃にも
また数多くのバンドが、同時期に新たな変貌を繰り返してる。
もちろん、その変化を拒んだバンドも数多くあったのでしょうが、
それらのターニングポイントで変わり続けたバンド達の音楽は、
30年過ぎた今でも語られる機会が多いように感じます。

私はそれらの時代をリアルタイムに見たわけではありませんが、
わずか数年で概念がめまぐるしく変わるさまは、
パソコン通信~インターネット黎明期のそれに
似たような既視感をどことなく感じます。
ちょうど、P-MODELライブアルバム「PAUSE」のライナーで
平沢が説いた「インフォメーション宇宙」の下り。

> 現実感が変わっていく。音楽も、映像も、お金も、社会的な実在も移住した。
> 肉体を離れて定住した情報は、温度も、重力も、時間もない宇宙で、
> 老朽化することなく永遠に漂っている。(中略)
> この感覚を無視してコンピューター音楽をやる事など私にはできない。

これに通じる感覚が当時の音楽シーンにあったのでしょうか。
もしもそうならば、変化を意識して変貌を繰り返し続けながら
創作活動を糧にする精神的重圧は、想像を絶するものがありそうです。
そして重圧を押しのけて、変化を繰り返しながらも
一本変わらぬ発想根幹を持ち続けられるクリエイターは
どのような環境においても己の創作欲求に従い、
自分の分身を世に出し続けるのではないでしょうか。

その点に於いて、小西健司はやはり「鉄人」だと思います。


以上、小西健司編でした。
さて、正月も終わりに近づきましたので、そろそろ最終回です。
そこで次回は総集編。
個別には書けなかったメンバーや、これまでに紹介したメンバーの補足、
そしてP-MODEL在籍経験のないP-MODEL周辺のミュージシャンを
アラカルト的に紹介したいなと思います。
明日もお付き合い下されば幸いです。

P-MODEL MEMBERS RARE DISCS(3)<三浦俊一 編> [特別企画]

P-MODELに縁あるミュージシャンの、今ではちょいと珍しい音盤を紹介する無謀な新春企画。
初日:福間、二日目:中野と“電子音楽部”所属部員が続きましたが、
本日紹介するのは、電子音楽部の総帥にして、 Beat Surfers 代表の三浦俊一です。


それではP-MODEL以後の活動概略から。
1985年末にP-MODELを脱退後、ケラ率いる“有頂天”に加入してメジャーデビュー。
有頂天ではアルバム「ピース」「AISSLE」他シングル3枚に参加し1988年脱退。
以後は自身のバンド“SONIC SKY”を結成して音楽制作やバンド活動・プロデュースに従事。
1995年に再びケラとバンドを組み、“ポメラニアンズ”等の仮名を経て
“ザ・シンセサイザーズ”となる(後にケラ&ザ・シンセサイザーズに名称変更)。


さてさて。
職務経歴書的にまとめれば、だいたい以上ですが。
実は、今回のように重箱の隅を突ついていくと、
非常に困ったことになるミュージシャンであります。
というのも、参加バンドが非常に多い。関わったアーティストがとにかく多い。
サポートや若手ミュージシャンのプロデュースまで含めると大変なことになる。

知ってるものだけでもざっと順不同で書きだすと、
DIAMOND★MUE/VAN DYKE/SONIC SKY/ザ・レジスターズ/
スペースショッピングセンター/デスコ/Hz/IKARI/ヤング100V/
Microchips and Fish/エレキバター/FLOPPY/
GO-BANG'S/岩田麻里/BAKU/SKAFUNK/富永みーな/
ペケペケ・エントロピーズ/まんが道/
噂に聞いただけで、見たことのないような活動が山ほどあります。
しかもそれらが有機的に発展解消し、新バンドが生まれるケースも幾つか。

ミュージシャン生活30周年近いベテランの履歴を
まともに追っていては太刀打ちできませんので、
私の手元にある音盤をもとに今回は解説します。

今回の解説を始める前に強力なディスコグラフィーをご紹介。
いつもお世話になっております。
ぱちーの - 三浦俊一ディスコグラフィー
http://www010.upp.so-net.ne.jp/tatsuroo/mue/index.htm


SONIC SKY 「SONIC SKY」「OVER」
sonic.jpg

over.jpg
前回:中野テルヲ編でも触れましたが、本項では詳しく紹介。
有頂天脱退以後、三浦の代名詞的バンドといえばソニック・スカイ。
初期は中野照夫・中期には河野裕一(有頂天・ヤプーズ)が在籍したバンドです。
メンバーの志向で音楽性が変化するバンドでもあり、
1stの頃はシンセが鍵を握るエレクトロロック、2ndではかなり真っ当なロックバンドの音作りです。
他にもライブ配布カセットなどが幾つもあったと聞きます。
特に後期ソニックはCDが出てないので聞きたい限り。


sco.jpg

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2018.07 追記:
STEREOSCOPEライブ FREE FREE FREE

ステレオスコープ「FREE FREE FREE」

ステレオスコープ「FREE FREE FREE」 [音楽] 三浦俊一、中野テルヲ、鈴木友行。



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三浦自身が「VOS!」や「BANDやろうぜ」に参画していたためか、
それらの媒体でのインタビューやライブ映像も残されてます。興味のある方は探してみてください。
(余談ですがVOS!では大槻ケンヂと一緒にコーナーを持ってたので三浦は毎回のように出演してました)

三浦ファンの視点からお薦めするのは2ndの「OVER」。
河野が加入したため、三浦がベースに回り、
河野の派手なリードギターと三浦の落ち着いたベースのアンサンブルで聞かせる内容となり、
バンドとしても再構築しなおした感のあるサウンドです。
1stにも収録された曲が骨太に生まれ変わっていて、他の楽曲も粒ぞろい。
その中でも「WORLD OF ELEGANCE」は三浦曲の中でも屈指の、泣かせる大名曲です。


スペース・ショッピングセンター「デモテイク1999」「恋に恋してコノヤロー」
「子猫モダーン物語」
modern.jpg
1999年頃、モノグラム中井敏文とタッグを組み、
ネット連動型ライブイベント“Web+”を開催してた時期に、
精力的に活動してた三浦のバンドが“スペース・ショッピングセンター”です。
ニューウェイブを志向していた頃のバンドで、
担当は三浦:ギター・シンセ・ボーカル、加藤英幸(元BAKU):ドラム・データ
大堀こういち(のびお)&のぐお:コント、という構成。
…コント?
ニューウェイブとハートウォームが同居した奇跡のようなバンドでした。
cen.jpg

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2018.07 追記:
スペース・ショッピングセンター ライブ

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基本はライブ活動を主としていたバンドですが、
デモ音源をCD-Rに焼いて、三浦の自主レーベル“マルティネスレコード”から
限定48枚でリリースするという、今ではちょっと考えられないような
家内制手工業的なことが行われてました。その当時の作品がここで紹介する三枚。

基本は打ち込みとギターサウンドが中心で、
ライブではこれに加藤のドラムとのびおのぐおのコントが乗っかる。
デモのためなのか、収録ボーカルにはヴォコーダがかけられてますが、
この効果も相まって、ニューウェイブ感を煽る出来栄え。
「子猫モダーン物語」はリリース当時、スペセン作品ではないと宣言されてましたが、
実質的に後期スペセン作品集。収録曲は以下のとおり。
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<デモテイク1999>
ウォッチ下さい
アナーキーインザショッピングセンター
スペースMP3
加藤、海へ行く。
ブルースインザスペース
スペースまんじゅうがに
青とバラ
スペース006
僕ら、トキをもらった

<恋に恋してコノヤロー>
恋に恋してコノヤロー
ウォッチ下さい(LIVE)

<子猫モダーン物語>
(犬は)猫の森には入れない
木佐彩子の歌
スリープ21
マツイのバット
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タイトルは(ある意味)すごいが、中身も見事なニューウェイブ。
ご存じの方も多いと思いますが、「僕ら、トキをもらった」は数度の変遷を経て、
ケラ&ザ・シンセサイザーズのレパートリーになってます(夜のスポーツ)。
他にも「青とバラ」「ウォッチ下さい」「木佐彩子の歌」「(犬は)猫の森には入れない」などは
いつリメイクされて再び世に出てもおかしくない名曲たち。

これらの音源はあまりにも流通量が少ないために、振り返るのも大変ですが、
当時の三浦個人サイトのアーカイブにMP3が残ってるようす。(リンク切れてたらごめんなさい)
http://web.archive.org/web/20000119162710/http://www.m2f.co.jp/miumar/space.html
http://web.archive.org/web/19991013153249/www.tk.xaxon.ne.jp/~mue/sound.html
そこからリンクをたどれば、サイト全体から氏の人となりが浮かび上がります。
ハートウォーミングだねえ。


“STEREO SCOPE”
stereo.jpg
待ってました大統領。
ステレオスコープと銘打たれてますが、ソニックスカイの前身名ではありません。
時期としてはP-MODEL脱退後~有頂天加入前ぐらいの作品で、
「TYPE-D」「TYPE-B」の二曲収録。ソノシートです。
短いながらも場面転換の多い曲で、P-MODEL ANOTHER ACTとして発表された
「D-SIDE」の続編とも言えるかも。音の作りもよく似てます。
サンクスとして中野・モデルハウス・有頂天がクレジット。


主だったバンド音源で私が把握してるのはこのへんにして、
次は各アーティストに提供された作品を紹介。

冨永みーな「Various」
miina.jpg
いまや大御所声優のソロアルバムをプロデュース。
このアルバムが出たときのライブツアーにも帯同してたとのことです。
なお、このアルバムで作編曲した「せっかくの週末」は、
後に新たな詞をつけられ「ガーデン」と名を改めて、後期ソニックのレパートリーとなったとのこと。


「おんなのこたち倶楽部」
girls.jpg
くじらいいく子原作の少女マンガのイメージアルバムを三浦がサウンドプロデュース。
冨永みーなと川喜多美子がボーカルを取ってます。
ライナーノーツには、くじらいの文と絵による三浦の紹介と
三浦が執筆したアルバム制作時の思い出話が掲載。


若手との交流など、まだまだ紹介したいものはありますが、今日はここまで。
毎度のごとく、回を重ねるたびに長くなっていき、我が事ながら頭が痛いです。
明日はサッパリと一点集中で掘り下げようと思います。

District and Circle lines

District and Circle lines

  • アーティスト: Microchips and Fish
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2007/12/12
  • メディア: CD


↑↑ 最後に、2000年代の三浦作品ではエアポケット的な存在のものを紹介。
現行のケラ&ザ・シンセサイザーズの方向性を模索するために
三浦がYANAと平井義人を集めてスタートしたバンド“Microchips and Fish”のアルバム。
このメンバーにケラと福間創を招聘して、今のシンセへと変貌しました。
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