博物苑流【電子音楽・ニューウェイブガイドブック】ガイド [四方山話]
昨年末の「P-MODEL・平沢進アイテム リリースラッシュ」と
正月の「P-MODEL MEMBERS RARE DISCS」が思いのほか好評だったようで、
誠にありがとうございます。
そこで、柳の下のどじょう的な記事をもうひとつ。
我が家の音楽書籍資料からP-MODEL/平沢進に関するもので
現在でも入手しやすかったり、Amazonで取扱いがあるものを解説紹介します。
P-MODEL/平沢進専門書籍ばかりではありませんが、
どれもテクノポップ・ニューウェイブの歴史を俯瞰できる資料かと思います。
皆様の平沢研究の一助になれば幸いです。
【改訂DIGITAL復刻版 音楽産業廃棄物】
http://shop.fascination.co.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=26
説明不要のP-MODEL/平沢進資料集。
初版は1999年と、10年以上前の刊行ですが、
昨年にデジタルPDFとして復刻されて、入手しやすくなりました。
1979~1999年までのディスコグラフィ・ライブ記録・年表などの基礎データはもとより、
(補項・同梱のhtmlデータにて2010年まで補完)
平沢の半生を辿るロングインタビューとP-MODEL全メンバーへのインタビュー、
平沢が某誌に連載したエッセイ「見るなの部屋」の復刻掲載は読み応え満点。
なお、今回の復刻はパッケージ版とダウンロード版の二形態があり、
このうちパッケージ版は残数僅少。パッケージを押さえたい方はお早めに。
さらにβ版的おまけ扱いですが、低スペックPCやスマートフォンを
想定した軽量版PDFまで同梱されてます。
こちらにiPhoneへのインストール方法をまとめてますのでご参考ください。
http://vistoron.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18
余談ですが、先のライブ当日にショップメカノへお邪魔した際、
デジタル音廃本のサンプルとして改訂復刻版書籍がカウンターに置かれてまして、
それを目にしたお客さんが「これは売り物ですか?」と店長に尋ねる姿を
次々と目撃しました。やはり書籍は人気ですねえ…。
【電子音楽 in JAPAN】
日本の電子音楽がNHK電子音楽スタジオで萌芽した1955年から
テレビやラジオから当たり前のようにエレクトロロックが流れるようになった1990年代までの歴史を、
関係者へのインタビューと資料によって圧倒的なボリュームでまとめあげた書籍。
初版は1998年ですが、3年後に加筆修正された増補版が出ました。
電子音楽との出会いからマンドレイク~凍結前P-MODEL、
デジタルリバーブやMIDIまでを語る平沢インタビューが
13ページ掲載されてますが、それが埋没する勢いの怒涛の資料集です。
(初版では22ページですがフォントサイズ見直し等のための
減ページによるもので掲載内容は変わってません)
他に平沢に関する話題はバッハ・リヴォリューションの田崎和隆や
プラスチックス・ヒカシューインタビューでも語られてます。
付録CDにはP-MODEL「美術館であった人だろ」の他、
平沢がインタビューで『電子音楽との最初の出会いだった』と語る
黛敏郎「東京オリンピック開会式」も収録。
テクノ御三家として世に売りだされたP-MODELを語る上で
避けては通れない日本20世紀電子音楽史。
それらをひもとくのに欠かせない一冊です。
【テクノ・ポップ (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)】
日本・ドイツ・アメリカ・イギリス各国のテクノポップ名盤紹介ガイド。
DEVO×POLYSICS対談や、KRAFTWERKラルフ・ヒュッターへのインタビューも併載。
P-MODELについては中野泰博メカノ店長の筆によって
1st~解凍アルバムまでの全てと旬4が解説されてます。
P-MODEL・平沢進からテクノポップ・ニューウェイブ音楽に興味を持った人達へ、
次なる一歩の道しるべとなる最良のガイドブック。
【ジャーマン・エレクトロ・リミックス】
上記のテクノ・ポップ・ガイドがP-MODELや平沢からの次の一歩ならば
本書はそこからさらに突き進んだ人向けのガイドです。
1970~1990年代のジャーマンエレクトロミュージックのガイドブック。
監修者はご存知、中野泰博メカノ店長。
インタビューも超豪華。
ASH RA TEMPELやE2-E4で知られるマニュエル・ゲッチングに
元KRAFTWERKのウルフガング・フラーとカール・バルトス、
NEU!のクラウス・ディンガーにCANのダモ鈴木とホルガー・シューカイ、
Clusterのハンス・ヨアヒム・レデリウス(後にグローバルトロッターズ)と
D・メビウス、そしてコンラッド・シュニッツラーにFaust……。
テクノポップガイドとジャーマンエレクトロリミックスの2冊をあわせて読めば、
ショップメカノの向かって右側、洋楽コーナーが俄然気になること請け合い。
入店したらカウンター左脇の平沢コーナーへと向かってしまう方々へ、
是非ともお薦めしたい書籍です。
【日本ロック大百科1955-1990[年表編]】
上記の資料たちはテクノポップ・電子音楽寄りでしたが、
こちらで紹介するのは日本ロックからみた歴史資料集。
なんとロカビリーの1955年からバンドブームの1990年までの
日本ロックバンドの主だったライブ記録やレコード発売記録を詳細に網羅。
(奇しくも電子音楽 in JAPANと同時期ですな)
平沢関連ですとマンドレイクから1979年3月16日のP-MODELデビューライブや
1980年4月7日の中野サンプラザ事件、
1988年末の凍結にソロデビューアルバム発売などなど掲載。
まさに日本のロックを俯瞰した歴史年表です。
それにしても中古とは言え、1992年発行の書籍が入手可能だなんて。
Amazonすごい。
---------
いかがでしたか?
今回紹介した書籍たちは、自らを「馬の骨」と称する近年の平沢リスナー達には、
まだあまり馴染みのないジャンルの資料だと思います。
しかし平沢進の創る音楽は、当たり前ですが
突然変異的に突如生まれたものではなく、
連綿なるロックや電子音楽の文化から派生したものです。
そしてそれらを土壌に平沢はオリジナリティ溢れる作品を紡ぎ出してます。
電子音楽や日本ロックの視点からの音楽に触れたり、資料をひもとけば
平沢ミュージックに関してもまた新たな発見が得られるかもしれません。
そして今はショップメカノという、とても素敵で便利な専門店もあります。
せっかく突っ込んだ足ですので、
そこからどこまでも広がる無数の魅力的な音楽にも触れてみてください。
きっとまだ聴いたことのないお気に入りの音楽があるはずです。
正月の「P-MODEL MEMBERS RARE DISCS」が思いのほか好評だったようで、
誠にありがとうございます。
そこで、柳の下のどじょう的な記事をもうひとつ。
我が家の音楽書籍資料からP-MODEL/平沢進に関するもので
現在でも入手しやすかったり、Amazonで取扱いがあるものを解説紹介します。
P-MODEL/平沢進専門書籍ばかりではありませんが、
どれもテクノポップ・ニューウェイブの歴史を俯瞰できる資料かと思います。
皆様の平沢研究の一助になれば幸いです。
【改訂DIGITAL復刻版 音楽産業廃棄物】
http://shop.fascination.co.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=26
説明不要のP-MODEL/平沢進資料集。
初版は1999年と、10年以上前の刊行ですが、
昨年にデジタルPDFとして復刻されて、入手しやすくなりました。
1979~1999年までのディスコグラフィ・ライブ記録・年表などの基礎データはもとより、
(補項・同梱のhtmlデータにて2010年まで補完)
平沢の半生を辿るロングインタビューとP-MODEL全メンバーへのインタビュー、
平沢が某誌に連載したエッセイ「見るなの部屋」の復刻掲載は読み応え満点。
なお、今回の復刻はパッケージ版とダウンロード版の二形態があり、
このうちパッケージ版は残数僅少。パッケージを押さえたい方はお早めに。
さらにβ版的おまけ扱いですが、低スペックPCやスマートフォンを
想定した軽量版PDFまで同梱されてます。
こちらにiPhoneへのインストール方法をまとめてますのでご参考ください。
http://vistoron.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18
余談ですが、先のライブ当日にショップメカノへお邪魔した際、
デジタル音廃本のサンプルとして改訂復刻版書籍がカウンターに置かれてまして、
それを目にしたお客さんが「これは売り物ですか?」と店長に尋ねる姿を
次々と目撃しました。やはり書籍は人気ですねえ…。
【電子音楽 in JAPAN】
日本の電子音楽がNHK電子音楽スタジオで萌芽した1955年から
テレビやラジオから当たり前のようにエレクトロロックが流れるようになった1990年代までの歴史を、
関係者へのインタビューと資料によって圧倒的なボリュームでまとめあげた書籍。
初版は1998年ですが、3年後に加筆修正された増補版が出ました。
電子音楽との出会いからマンドレイク~凍結前P-MODEL、
デジタルリバーブやMIDIまでを語る平沢インタビューが
13ページ掲載されてますが、それが埋没する勢いの怒涛の資料集です。
(初版では22ページですがフォントサイズ見直し等のための
減ページによるもので掲載内容は変わってません)
他に平沢に関する話題はバッハ・リヴォリューションの田崎和隆や
プラスチックス・ヒカシューインタビューでも語られてます。
付録CDにはP-MODEL「美術館であった人だろ」の他、
平沢がインタビューで『電子音楽との最初の出会いだった』と語る
黛敏郎「東京オリンピック開会式」も収録。
テクノ御三家として世に売りだされたP-MODELを語る上で
避けては通れない日本20世紀電子音楽史。
それらをひもとくのに欠かせない一冊です。
【テクノ・ポップ (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)】
テクノ・ポップ (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)
- 作者: 美馬 亜貴子
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: 単行本
日本・ドイツ・アメリカ・イギリス各国のテクノポップ名盤紹介ガイド。
DEVO×POLYSICS対談や、KRAFTWERKラルフ・ヒュッターへのインタビューも併載。
P-MODELについては中野泰博メカノ店長の筆によって
1st~解凍アルバムまでの全てと旬4が解説されてます。
P-MODEL・平沢進からテクノポップ・ニューウェイブ音楽に興味を持った人達へ、
次なる一歩の道しるべとなる最良のガイドブック。
【ジャーマン・エレクトロ・リミックス】
上記のテクノ・ポップ・ガイドがP-MODELや平沢からの次の一歩ならば
本書はそこからさらに突き進んだ人向けのガイドです。
1970~1990年代のジャーマンエレクトロミュージックのガイドブック。
監修者はご存知、中野泰博メカノ店長。
インタビューも超豪華。
ASH RA TEMPELやE2-E4で知られるマニュエル・ゲッチングに
元KRAFTWERKのウルフガング・フラーとカール・バルトス、
NEU!のクラウス・ディンガーにCANのダモ鈴木とホルガー・シューカイ、
Clusterのハンス・ヨアヒム・レデリウス(後にグローバルトロッターズ)と
D・メビウス、そしてコンラッド・シュニッツラーにFaust……。
テクノポップガイドとジャーマンエレクトロリミックスの2冊をあわせて読めば、
ショップメカノの向かって右側、洋楽コーナーが俄然気になること請け合い。
入店したらカウンター左脇の平沢コーナーへと向かってしまう方々へ、
是非ともお薦めしたい書籍です。
【日本ロック大百科1955-1990[年表編]】
日本ロック大百科〈年表編(1955~1990)〉 (宝島コレクション)
- 作者:
- 出版社/メーカー: JICC出版局
- 発売日: 1992/04
- メディア: ハードカバー
上記の資料たちはテクノポップ・電子音楽寄りでしたが、
こちらで紹介するのは日本ロックからみた歴史資料集。
なんとロカビリーの1955年からバンドブームの1990年までの
日本ロックバンドの主だったライブ記録やレコード発売記録を詳細に網羅。
(奇しくも電子音楽 in JAPANと同時期ですな)
平沢関連ですとマンドレイクから1979年3月16日のP-MODELデビューライブや
1980年4月7日の中野サンプラザ事件、
1988年末の凍結にソロデビューアルバム発売などなど掲載。
まさに日本のロックを俯瞰した歴史年表です。
それにしても中古とは言え、1992年発行の書籍が入手可能だなんて。
Amazonすごい。
---------
いかがでしたか?
今回紹介した書籍たちは、自らを「馬の骨」と称する近年の平沢リスナー達には、
まだあまり馴染みのないジャンルの資料だと思います。
しかし平沢進の創る音楽は、当たり前ですが
突然変異的に突如生まれたものではなく、
連綿なるロックや電子音楽の文化から派生したものです。
そしてそれらを土壌に平沢はオリジナリティ溢れる作品を紡ぎ出してます。
電子音楽や日本ロックの視点からの音楽に触れたり、資料をひもとけば
平沢ミュージックに関してもまた新たな発見が得られるかもしれません。
そして今はショップメカノという、とても素敵で便利な専門店もあります。
せっかく突っ込んだ足ですので、
そこからどこまでも広がる無数の魅力的な音楽にも触れてみてください。
きっとまだ聴いたことのないお気に入りの音楽があるはずです。
2011-01-29 00:12
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