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くたばれ、ムーンライダーズ [四方山話]

【ムーンライダーズ 無期限活動休止のお知らせ】
http://www.moonriders.net/notice/

日本最古のロックバンドは、マイペースそのままに
ずっとどこまでも往くんだと思ってた。

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私がこのバンドを知ったのは1993年のキーボードスペシャル、
P-MODELが表紙を飾った号の編集後記、
「有頂天なきいま、有頂天的な音を求めるとP-MODELとムーンライダーズを聞くしかない」
という一文がきっかけでした。
P-MODELも知ったばかりの頃で有頂天すらほとんど聞いてませんでしたが、
この一言がずっと忘れられずにいたものです。

その後しばらくして、件のキースペと同時期に出版された
ピコエンタテインメントの1号を参考に
ムーンライダーズのアルバムを何枚か手に入れて、
期待に胸をふくらませて再生しましたが、どうもピンと来ない。
P-MODELの平沢や有頂天のケラの奏でる世界、
それにYMOやプラスチックス、ヒカシューなどは初聴ですんなり楽しめるのに
ムーンライダーズはちょっと分かんない。と、首を傾げたものでした。
それでも「薔薇がなくちゃ生きていけない」というのは覚えました。

とはいえ、せっかく買ったものですので、折を見ては聞き返し、
それぞれのアルバムから気に入った曲をピックアップし、
その時々のマイベストカセットテープを作ったものです。
そんなこんなな出会いでしたが、
月日が経つと、徐々に沁み込むように興味を持って行きました。
30を過ぎたあたりからは事あるごとにフレーズを口ずさんでた気がします。


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「P-MODELとムーンライダーズの活動変遷には共時性がある」と言ったのは
私なんかよりも真摯にライダーズを愛する友人でした。
言われてみれば、同じような時期にテクノポップの洗礼を受け、
それを脱却した後は内省的な音楽を次々と生み出し、
80年代中盤には達観したかのようなポップな音を紡いだかと思えば、
終盤に差しかかった頃には闇に潜むように、それぞれ活動を止める。
90年代初頭には、電子音にまみれたハウスと
電子音そのもののテクノポップを築き上げて、
劇的にシーン復帰したのも、後追いからしてみれば共時性を感じますし、
「時代」を掴む力に長けたバンド達だったんだとも思います。
それぞれが独立したレーベルを抱えるようになった現在では、
渡り歩いたレコード会社の数でも張り合えるのもご愛嬌。


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十数年の間つかず離れずの距離感で聞いてましたが
ライブに行ったのはたった一度。
1998年、岐阜の産業祭りのようなイベントに
ムーンライダーズがゲストで招かれた(!)ときに
無料だからと見に行ったものです。
すごくかっこ良かった。

屋外のコンクリとタイルで囲われた広場のようなところが会場で、
最初に登場したのはリーダーの鈴木慶一。
背中を丸めてアコギを奏でながら歌い始めて
演奏中にドラム:かしぶち哲郎、ベース:鈴木博文、ギター:白井良明
キーボード:岡田徹、バイオリン&トランペット:武川雅寛…のメンバーたちが
順番に次々と入場してアンサンブルを重ね
「恋人が眠ったあとに唄う歌」を演奏した様子は
いま思い出しても鳥肌が立ちます。

開放的な屋外に合わせたかのようなアコースティック編成で
当時リリース直前だった「月面讃歌」からの曲が中心でしたが
「鬼火」「欲望」「物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、眼をつぶれ」
「夢が見れる機械がほしい」「くれない埠頭」なども演奏した、
あまりにも濃厚な約一時間半フルセット。
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時間はたっぷり有ったのに、
そのライブの次に見に行くライブが
無期限活動休止宣告ライブになるとは。
間に合ったと、ここはポジティブに考えます。


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平沢マニア的には1999年初頭のキーボードスペシャルに掲載された
鈴木慶一×平沢進対談には痺れました。
表敬訪問のような様相をした大人同士の対談。
その後のMP3配信の処女地開拓に於いても
P-MODELとムーンライダーズは先進的に立ち回ったものです。

21世紀に入り、P-MODELは長き眠りから未だ覚めず、
そしてムーンライダーズも眠りに就こうとする。
P-MODELのいない現在にはようやく慣れましたが、
ムーンライダーズのいないそれは、まだ実感が沸きません。
まずは、12月の大阪公演を眼に焼き付けて来ようと思います。
Damn! moonriders!

Ciao!

Ciao!

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: バウンディ
  • 発売日: 2011/12/14
  • メディア: CD



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