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棒の暗号 - 改訂復刻DIGITAL版 音楽産業廃棄物のバーコードには何が隠されているのか [四方山話]

本来、この手のネタは私なんかよりも、
百戦錬磨の名人上手がいらっしゃるのは百も承知です。
しかし達人がおそらく未入手なので、僭越ながら私が先鞭をつけます。


今日の話題も『改訂復刻DIGITAL版 音楽産業廃棄物』です。
パッケージ版を購入された方は内容を閲覧する前に
梱包材からあしらわれたトータルデザインで楽しまれたかと思います。
これらのパッケージについては、ぐしゃうんさんのレビューに詳しく記載されてますが
http://d.hatena.ne.jp/xxgushaunxx/20101017
私が今回俎上に載せるのはDVDケース添付シール。
各地で物議をかもしたコンビニ弁当風デザインシールの
左下部に陣取るバーコードが今日の素材です。

fasci.jpg

これは一見、日本国内で流通してるPOSのJANコードに見えますが、
見る人が見れば、日本企業のJANコードでないことは一目で分かります。
なぜなら国コードである先頭2桁が、日本を示す「49」「45」ではないからです。
それではこのバーコードは、いったいなんなのでしょうか?
順を追って解析していきましょう。


まず、このバーコードが、本当にバーコードなのかを確かめます。
「なにいってんの?こんなの見慣れたバーコードでしょ?」
と、首を傾げるあなたの顔がこちらからも良く見えます。
でも、とりあえず私の話を聞いてください。

スーパーやコンビニのレジなどに代表されるPOSシステムで使われるバーコードは
13桁の数字を線の組み合わせで表記したものです。(短縮版で8桁もあり)
つまり、バーコード本体と、その下に付記されてる数字は、
同じ内容をスキャナ用と目視用に重複表記してるのです。

バーコードの数字にはそれぞれ意味があり、先程のとおり先頭2桁は国コード。
その次の5桁(ものによっては7桁)が企業を意味する企業コードなど。
スキャンミスしても間違えたデータが通らないような工夫もされてます。
その工夫を「チェックデジット」と言います。


それでは実際に具体例を用いてチェックデジットを調べましょう。
バーコードのサンプルは私の手元にあった
KORGのミニシンセ「monotron」を使います。
KORG monotron (モノトロン)

KORG monotron (モノトロン)

  • 出版社/メーカー: KORG
  • メディア: エレクトロニクス

なお、チェックデジット計算式はこちらを参考にしました。
http://www.dsri.jp/jan/check_digit.htm

monotronのバーコードは「4959112076310」で、
このうち一番左の「0」がチェック用の数字です。覚えておいてください。

1:
まず、バーコード右12桁を奇数桁と偶数桁により分けます。
つまり、495911207631が
4_5_1_2_7_3_ ← 奇数桁
_9_9_1_0_6_1 ← 偶数桁
のようになります。

2:
より分けた奇数桁の各数字を合計します。
4+5+1+2+7+3=22

3:
偶数桁の各数字を合計して3倍します。
(9+9+1+0+6+1)×3=78

4:
奇数桁と偶数桁の結果を合計します。
22+78=100

5:「100」の下一桁の数字を10から引く。
下一桁が0の場合は、そのまま0がチェック用数字となる。
この場合は10-0=10だから0。
よって、monotronバーコードの一番左桁は「0」。 → 「495911207631 0」
……と、チェックデジットはこのように算出します。


それでは上記計算式を、DIGITAL音廃本パッケージに書かれた
バーコードに照らし合わせて計算しましょう。
計算式は白文字で表記しておきますので、
どうぞみなさんも電卓片手に計算してください。


1:バーコード右12桁のより分け
0230331902300 から最後の0を抜いて12桁にする

023033190230
0_3_3_1_0_3_ ← 奇数桁
_2_0_3_9_2_0 ← 偶数桁

2:奇数桁合計
0+3+3+1+0+3=10

3:偶数桁合計×3
(2+0+3+9+2+0)×3=48

4:奇数桁偶数桁合計
10+48=58

5:58の下一桁を10から引く
10-8=2

6:計算結果とバーコード記載の13桁目を突き合わせる
結果「2」 バーコード13桁目「0」



……はい、お疲れ様。
上記の通り、パッケージのバーコードは
POSで使われるものとしては不正なコードであるということを証明しました。
その証拠に、携帯電話に備え付けられている
まともなバーコードリーダでは読み取れないと思います。

それではこの数字の羅列はなんなのか。
パッと思いついたポケベル文字でもありませんでしたし、
なにかの語呂合わせにしてはピンとくるものが思いつかず。
なにやら曰くあり気ですが、私の頭では思いつくことも無し。
ひとつ分かったのは、これはバーコードのふりをしてるが
正規のバーコードではない、ということだけでした。

となると、これはなにか意味があるのか無いのか。
意味があるならば、果たしてどういう意味なのか?
どなたか腕に自信のある方は、この謎を解いてみませんか?


最後に、平沢/P-MODELリスナー界隈において
各種解析にかけては右に出る者はないと日頃より尊敬し、
また、ペーパークラフト作成や各種レポートにおいても
そのセンスをいかんなく発揮されている
「ひ組」のマヒトさんに今回の記事を捧げます。
http://higumi.net/

いつもお世話になってます。
不肖ジフはここまでしか辿り着けませんでした。
解析プロフェッサーの完全版を楽しみに待ちます(笑)
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  • 出版社/メーカー: シーホープ
  • メディア: 時計


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更新 2010.10.18更新 2010.11.14 ブログトップ

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